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eiroku
鍋焼きうどんと父の話。
うどんか蕎麦かと問われたら、断然蕎麦派だ。
好きな食べ物(甘いものは含まず)はオムライスと蕎麦。即答できるのはその二つ。それくらい蕎麦が大好きだ。
けれど、鍋焼きうどんは別だ。
ここで言う鍋焼きうどんとは、昔からあるアルミの直火にかけられるあの鍋焼きうどんのことである。チープであればあるほど良い。最近は具沢山のものが多くて「これじゃない」感を感じてしまう。
話がずれたが、鍋焼きうどんには思い出があるのだ。それは高校受験のとき、夜遅くまで勉強をしていると必ず父が鍋焼きうどんを作ってくれた。ちゃんとした土鍋で作ってくれた味噌煮込みうどんも美味しかったが、大体はチープなタイプの鍋焼きうどんだった。
こんなに美味しいものがあるのだろうか。
あのときのことを今でも思い出す。寒い部屋、うどんの湯気、その向こうで微笑む父。きっと父がもうこの世にはいないからだろう。ふと思い出すのはキラキラした思い出ばかりだ。
味噌煮込みうどんはあれから一度も食べていないが、鍋焼きうどんは寒い時期になると無性に食べたくなる。
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だんだん売られなくなってきているのをひしひしと感じる。毎年近くのスーパーに必ず売っていたが、今年は売られていない。ようやく見つけたこちらのものも、次にまた入荷されるかはわからない。
いつまでも売られ続けてほしい。
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