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たいち君の場合

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高校時代からの友人「たいち君」について、今まで書き溜めていたものを推敲・アレンジしたものです(R18な部分もあります)。僕は彼に翻弄されながら、恋愛感情を持ちました。その感情は未…
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#甘い思い出

たいち君の場合(4)

大学に行くために、いつもの駅に向かった。この駅には北口と南口があって、一つだけある改札を抜けて右に曲がると北口で、左に曲がると南口に出る。僕はいつも北口から改札に入る。北口の階段を降りていると、南口の方向から、なんだか見たことがあるシルエットを見つけた。たいち君であった。ふらふらしている。駆け寄ってみると、風邪をひいてしまって、病院に行ってきた帰りらしい。息が荒くて、熱い。顔も赤い。すぐ帰って横になるように言って、僕は近くの例のコンビニに駆け込んだ。 ヨーグルト、ポカリ、ウ

たいち君の場合(1)

たいち君は高校時代からの友達です。いつ友達になったのかはわかりませんが、大学生のある時までとても仲の良い親友でした。それが急にプツリと切れてしまい、いまだに音信不通です。彼はもともと「こっちの感じ」がありました。少なくとも私には、そんなそぶりを見せる・試してくる(ように感じました)。最初私は戸惑っていたのですが、いつの間にか、私の方が気になる存在になってしまい、連絡を取ろうとしたら・・・、ここで物語が終わります。 高校時代の彼は成宮君にそっくりでした。あの切ないドラマ「イノ