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たいち君の場合

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高校時代からの友人「たいち君」について、今まで書き溜めていたものを推敲・アレンジしたものです(R18な部分もあります)。僕は彼に翻弄されながら、恋愛感情を持ちました。その感情は未…
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#日記

たいち君の場合(5)

「#いま私にできること」と言うハッシュタグを見つけた。 表現することは物を救うことであり、物を救うことによって自己を救うことである。三木清「人生論ノート」より 高校生の時に読まされました。大学生の時はよく読みました。 「いま私にできること」とは、やっと確保できた時間(now)で、辛い思いを吐き切ることだと思う。吐き切って、自己=過去と現在の私を救う——、これが「#いま私にできること」だと信じて「たいち君の場合」を続ける次第です(殆どポルノ小説です……)。 たいち君の場合

たいち君の場合(4)

大学に行くために、いつもの駅に向かった。この駅には北口と南口があって、一つだけある改札を抜けて右に曲がると北口で、左に曲がると南口に出る。僕はいつも北口から改札に入る。北口の階段を降りていると、南口の方向から、なんだか見たことがあるシルエットを見つけた。たいち君であった。ふらふらしている。駆け寄ってみると、風邪をひいてしまって、病院に行ってきた帰りらしい。息が荒くて、熱い。顔も赤い。すぐ帰って横になるように言って、僕は近くの例のコンビニに駆け込んだ。 ヨーグルト、ポカリ、ウ