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行動できない人の思考

ユーシロです。

日本の上場企業は新しいビジネスをやるにしても、計画を細かく立てて上司や重役から許可を頂かないと始まらない企業が多過ぎです。

数年前にホリエモンがビジネスセミナーの最後、以下の様に述べていました。


ここでいくら良い話を聞いても、行動しなければ、何の意味も無いよね。頭で考えているだけじゃ駄目で、実際にそれをやらないと考えてないのと一緒。あれこれ考えず、まずはやってみろ。


一言でまとめるなら「行動しろ!」と、言うことです。ですが、いくらそう言われても、やらない人はやりません。

「行動しない奴は駄目だ!」と一蹴する人も多いですが、僕はそうは思いません。

最近特に目につくんですが、あまりに「ゼロヒャク思考」に囚われている社会人が多いと感じます。

「ゼロヒャク思考」とはその名の通り、


「できてなければ、やらなかったと同じ」


と考える、1点〜99点が存在しない、極めてシビアでストイックな考え方です。

僕はこの思考に否定的です。なぜなら、多くの人を苦しめている「元凶」になりつつある思考だと感じるからです。

確かに、「ゼロヒャク思考」は、短期的な目標には効果的です。

「来週までに~する」
「売上げ目標で~円まで売上高を出す」

など、一時的なカンフル剤としては、上手く機能すると思います。

ですが、これはテスト前、徹夜時等に、コーヒーなどのカフェインを飲んで頑張るのと同じです。

短期的には劇的な効果が見込めるものは、たいてい長期的には、身を滅ぼします。

常にゼロヒャク思考で生きるということは、毎回テストで100点が要求されるようなものです。つまり、1問のミスすら、許されない。

まさに、綱渡りです。ゼロヒャク思考で生きている人に、憧れを抱く人も多いです。

「さすが、成功している人、目標を達成する人は、ストイックだ」と。

しかし、リスペクトするだけならまだしも、「自分もそうなりたい!」と思った瞬間、悲劇が始まります。

それは、上手くいく可能性が低いとか、そのレベルの悲劇じゃありません。

「結果を出してない自分は駄目だ」
「行動してない自分は駄目だ」
「何の取り柄も無い自分は駄目だ」

そういう、「自己否定」の強い人が「ゼロヒャク」で考えると、どうなるでしょう?

まず、行動するのがものすごく怖くなります。

行動すれば、間違いなく「失敗」するからです。特に最初の一歩みたいな行動は、確実に「出来てない部分」が浮き彫りになります。

普段から自分を否定していると、「否定」の上塗りに、耐えられないんです。

その結果、生物としての生存本能が働き行動して失敗するくらいなら、行動しない方が良いという選択を、無意識に取ります。

こうして、「行動すること」「とにかくやること」を頭ではそれが大切だと分かっていても、行動しない人が量産されます。

しかも、そこで行動できなかったことで、ますます自分を責めて、ますます自分を否定し始めます。

「よーし、やるぞ!(決意)」

「失敗したらどうしよう…(心の声)」

「周りはどんどん行動してる…(焦り)」

「それに比べて何て自分は…(自己否定)」

「頭で考えてばかりじゃ駄目だ!(決意)」

以降、その繰り返し。

この「負のスパイラル」にハマっている日本人が本当に多いです。それを助長するのが、1点–99点を許さない「ゼロヒャク思考」だと思います。

なので、短期的で、奮起できる目標を達成するために、「ゼロヒャク思考」を取り入れるのは、別に構わないと思います。

ですが、人生は1週間そこらではなく、数十年続く長期のものです。数十年、ゼロヒャクで生きれば、回避不可能な「自信の喪失」が待っています。

自分を否定していると、やる気も強烈に削がれるので、まずはそんな自分も受け容れて欲しいです。

「常にゼロヒャクで生きている」人は、そもそも生まれ育った背景もメンタルの状態も異なるのだから、あんまり真に受ける必要は無いと思いますよ。


また、極端に自分を否定している人ほど、極端な思考法に影響されやすいので、気をつけないといけませんね。


最後に注意事項ですが、自己啓発セミナーはこの原理を逆手にとって、参加者の自信を奪い、支配しようとするものがあります。セミナー業界に限らず、どの世界もこうして詐欺師は人を支配してきます。

皆さんも気をつけましょう。


仕事なんて適当にやれば上手くいきまっせ。


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