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ゴールデンウィーク定点観測

2024年
育休中2回目のGW。
平日も祝日も変わらない毎日。
朝早く息子に起こされ、3食を用意して口に運び、散らかった食べかすを拾い集め、公園へ繰りだし、ヘトヘトになって寝る。
前半は旅行したのでそこに移動も加わり、クッタクタだった。
絶景より息子のことを見ていた。
でも景色単体で見る海より、息子の背景として見る海の方がキラキラと輝いてみえた。

2018年
今は夫である当時の彼氏と旅行先ではじめての蕎麦打ちをした。
蕎麦粉をこねてまとめるには結構力がいる。
パサパサとひび割れてしまったりしてかなり難しい。
細く切るのはさらに難しかった。
きしめんのような蕎麦が出来上がり、口の中で暴れるそれをワシワシと食べるのは苦痛だった。
自分で打った蕎麦はうまい、とはならず。
これからも蕎麦はプロの他人が作ったものを食べると決意した。
夜とても星が綺麗だったのを覚えている。
あまりに夢中で見続けたので体が冷え、その後もう一度温泉に入った。

ぶっといそば

2016年
就活と部活の大事な大会が同時に押しよせ、GWなど関係ない多忙な日々だった。
就活に頭を侵食されすぎて、SNSで友達がつぶやく「GW」をグループワークの頭文字かと勘違いして、みんなそんな活動しているのかと焦ったこともあった。
ゴールデンという響きさえうっとおしく、この泥みたいな毎日のどこがゴールデンやねーーーん!!!と頭の中で爆音で怒鳴っていた。
まだその感情の記憶が残っているのでギリ泥に見えるけど、いつかもっと美化されてあの日々もゴールデンに感じるのだろうか。

2019年
人生で1番苦痛なGWだった。
結婚したての夫が単身赴任で海外へ飛び去り、本来は引っ越し作業などをして過ごすはずだったGWの予定がすっからかんになって1人取り残された。
暇で暇で、すべてが恨めしく、部屋で泣いてばかりいた。
同じ状況の人の言葉はないかと思ってインターネットをさまよったが、夫がいない方がむしろラクなのでラッキーですよ!という新婚には何一つ響かない意見や、不倫し放題ですねなんていう程度の低いゴミ回答がわんさかあふれており世の中に失望した。
暇がしんどすぎて早く働きたかった。
早く終われと願うGWははじめてだった。

2023年
息子が初節句を迎えた。
義両親に贈っていただいた兜の前で腰の座らない息子をどうにかいい角度に保ち、たくさん写真撮影をした。
特に出かけるでもなく、たまたまやっていた大食い番組を見たりして過ごした。
息子の反応がやけに良く、よだれを垂らしながら見ていた。
夜にお食い初めも行った。
縁起のいいあれこれを順番に息子の口元に運び、食べさせるふりをする。
ままごとのようで滑稽だったけど、うやうやしく儀式をするその珍しさが楽しく、きちんと最初から最後まで手順どおりにやった。
菖蒲湯に入れたりもした。
伝統や季節行事は祈りなんだなと改めて感じる。
他のことはどうだっていい。
とにかく健康にすくすくと育ってほしい。

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