夏の読書記録⑤


夏休みに読んだ読書の記録を残していきたいと思います

やりすぎ教育 商品化する子どもだち
武田 信子
ポプラ新書


教育現場で働く身として衝撃的なタイトルが気になって読まずにはいられませんでした。
はじめにー こんなことが書かれていました。

親は、子どもが将来、周りから取り残されないように、自分たちの薄給のせいで子どもが悲しい人生を送らなくても済むようにと、赤ちゃんの時から子育てや教育にお金をかけ、そのために共働きで長時間働くので、自分で子どもの世話をする時間も十分に取れません。


この文が自分のことを言っているかのように思えたのです。

著書では、日本の教育は「エデュケーショナルマルトリートメント」だと問題提起しています。マルトリートメントとは、虐待と訳されることのある言葉なので「日本の教育は教育虐待である」ということになってしまいます。
親や教員の個人の責任追求ではなく、社会の価値観が生む現象で、社会全体で取り組む概念として広がらなくてはいけないとしています。

塾などで先取り学習している子は知らないふりをして聞いている。
授業がわからない子どもは放置している。
こういった学校教育についても問題提起しています。
そこで子どもは学ぶ意味を見出せるのかと。

でもそれって現実問題、簡単に解決できる問題ではない。現場にいる身としては仕方がないこともあると思ってしまいました。

でもそれは著者も述べていることで、社会の問題として考えていかなければならないとしています。

多様性を認め、個別対応できる教育環境にするべきとあり、それは本当にそうだなと感じました。
ただ、そのよりよいとは本当はなんなのかしっかりと考える必要があると思いました。

この本を読んでいると、子どもは昔のように、家族だけでなく、地域の人で一緒に育てていき、子どもの好きなように空き地でのびのび遊ばせ、大人が子どもにやらせるばっかでりはいけないと言われているような気持ちになりました。

子どもたちにはその子がその子らしく生きていけるようにそのためには何ができるか、考えていきたいと思いました。

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