アフリカンカン

アフリカンカン

最近の記事

アフリカのサミット「キリマンジャロ」で人力タクシーに乗る#3

翌朝起きると雨は止み、心地よいスタートを迎えることができた。 本日のルートは2,720mから約1,000m高度を上げ、ホロンボハットまで歩みを進める。12kmの山行で、エリアは森林地帯から湿原へと移り変わる。 この日から雲の上から景色を楽しめることもあり、テンションは高めだ。早くアフリカの景色を見たい。すぐに荷物をまとめ、他のどの団体よりも早く山行をスタートした。 「ポレポレ」スタートするとすぐに、ガイドのHunterが声をかけてきた。彼の歩みは極めてゆっくりだった。 体調

    • アフリカのサミット「キリマンジャロ」で人力タクシーに乗る#2

      7月のキリマンジャロは乾季、サマーシーズンということもあり、登山客が多い。感覚だが、ほとんどがヨーロッパからの顧客に見えた。アジア人もごく少数いたが、コロナの規制等でまだまだ旅行できる人は限られているようだった。 ゲート内には様々な展示があり、キリマンジャロの噴火の歴史やキボ(キリマンジャロの最高地点)がなぜ常に雲に覆われているかなどが書かれていた。様々な言い伝えがあるようだ。 キリマンジャロは3つの峰から成る成層火山で、古いものから順にシーラ峰(3962m)、マウェンジ峰

      • アフリカのサミット「キリマンジャロ」で人力タクシーに乗る#1

        「今すぐ下山しろ」 サミット直前でメディカルスタッフからストップがかかった。それもそのはずだ。体温は38.3℃、PaO2は60Torr(酸素飽和度90%)を切っており、意識は朦朧としていた。 2022年6月、私は7年間務めた会社を辞め、アフリカ東海岸に位置するタンザニアに来やってきた。何か新しいことに挑戦したなった。そのうちの一つがそう、7大サミットの一つであるキリマンジャロ登山だった。 昨年、30歳の節目で長期休暇を取り、御嶽山に登ってから、登山にはまった。グッズも揃え

        • タンザニアで恐怖体験 空港で拘束6時間の末に見えてきたもの

          「日本へ帰ってもらおう」 その言葉だけははっきり分かった。 初めてのアフリカに心を躍らせていた。 次の会社までのギャップ期間、2ヶ月をボランティアをしながらアフリカで過ごすのだ。すでに日本でボランティア先メンバーとの関係もできていたため、全ては順調のように感じた。 18時間のフライト後、最初のボランティア先であるタンザニア  ダルエスサラーム国際空港に到着した。 コロナ検査、入国審査も順調すませ、あとは送迎車に乗り込むだけ。さっきドライバーから連絡も来ていたから完璧だ。 そ

        アフリカのサミット「キリマンジャロ」で人力タクシーに乗る#3