死を想う2

老いを考える:「エイジング、プリーズ」という特集記事を読んで

 日頃、死について考えていることを、ゆるゆると書いていきます。
 今回は、NEUTというウェブマガジンの特集で面白いものがあったので、それを読んで思ったことを書きたいと思います。

 普段はあまりウェブマガジンを読んだりしないのですが、「エイジング、プリーズ」というタイトルに惹かれて読んでみました。日本語にすると、「年をとってください」でしょうか?
 3つの記事があって、1つは、70代の女性を主人公にした映画の監督へのインタビュー。次は、60歳以上の女性の写真を撮り続けている方へのインタビュー。最後は、20代の若者9人に、老いについてどう捉えているかを訊いた記事でした。

 記事の内容も興味深かったのですが、私にとっては、「老い」をテーマに特集が組まれていた、ということが自体がすごいことでした。
 私が、死や老いについて考え始めたから見つけたのでしょうか。死や老いについて考えている人が増えてきているから、記事が書かれているのでしょうか。分かりませんが、こうした特集が組まれていることは意外でした。自分の身近な人たちと話す中で、死や老いについて日常的に考えている人と出会うことは、あまり多くないのです。

 しかも、この特集では、老いを嘆くのではなく、自然なこととして受け止めていたように思います。それどころか、様々な経験を積んで、より味わい深い人間になる。年を重ねていって、自分がどう変化するのか楽しみ。というように、前向きに老いを捉えています。

 私自身は、死に対してとても否定的なので、老いに対しても、どちらかと言えばネガティブです。死ぬのが怖いので、老いるのも怖い。
 そして、やったことのないことをやったり、環境が変わったりするのも昔から怖いのです。だから、「年をとる中での変化を楽しもう!」と前向きになるのも、やっぱりちょっと難しいです(でも、「やってみたら意外と良い感じ!」ということも多いので、何とも言えないのですが……)。

 それでも、年を重ねて、知識が増えて、色々な経験をして心が豊かになっていくのは素敵だな、と思います。実際に、おばあちゃんと話しているとき、そのあまりの知識の豊富さと心の広さに、私は「早く年をとりたい……!」と思うことがあります。
 でも、年をとった人を素敵だなと思う一方で、その人が、体調が悪くなったとか、大変だと言っているのを聞くと、私が簡単に「年をとるのは素晴らしい!」と言えるものでないのだろうな、とも思います。老いには、様々な面があって、私が老いについて考えるとき、想像できるのはほんの少しです。
 老いが自分に対してどういうものかということは、結局「年をとってみないと分からない」のでしょうか。

 今回、老いについて考えてみて、「年をとってからのことは、年をとってからでないと分からない」というところに至りましたが、よく考えるとこれは、老いに限ったことではないのかな、と思います。死について考える中で、「幼いことも、若いことも、老いることも、今、そのときしか経験できないんだ」と強く感じるようになりました。

 私は心配性なので、将来のことを色々考えて不安になったりします。でも、どんなに先のことを考えたとしても、「今」から動くことはできません。年齢に関わらず、時間は巻き戻すことも、早めることもできないのです。

 だから、老いることに対しても、楽しみにしたり、不安を抱えたりしながら、やっぱり今を一生懸命生きていけたら良いな、と思います。

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