イタリア男の沽券にかかわる一大事
初めてイタリアに行ったときの話だ。
着いたのは夕方。ホテルのシャトルバスが着くまで相当待った。これ電話しなきゃいけないやつ?と思い始めたときに、同じホテルに行くらしい紳士が、私と同じポイントにやってきた。ミラノのマルペンサ空港、出発ロビーの16番。
紳士はシュッとしたアジア系だった。着ているスーツも上等で、たぶんゼニア。こちらで仕事をしている方のようで、ちょっと話したら中国人だった。スーツケースはハリバートン。絵に描いたような国際ビジネスマンだ。とてもきれいな英語を話す人だ