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在日クルド人差別問題記事(SPA!)|執筆の裏側

2024年6月3日16時に「埼玉県川口市の在日クルド人が「街で大暴れ」は本当か?SNSで繰り返される人種差別の真相」がSPA!より公開になった。

その執筆秘話を書きたい。


岩本弁護士から「取材しにきてくれ!」というメール

正直、私はX上でそんなに問題になっているなんて知らなかった。だけど、記事中の在日クルド人11人の代理人をしている岩本弁護士は昔からの知り合いなので、電話でまずは概要を聞く。
「近々、提訴するから、そしたら取材して。
他のジャーナリストも呼んでくれないか」と言われたので、知り合いのジャーナリストに声をかけた(この人が記事中の同行者)。

「会見までは詳しく話せない」という岩本さんにいつになく緊張感があった。

そして、産経新聞で会見の記事を読む。

これが3月19日。

それまでの間は本で勉強していたし、昼間の蕨駅付近に行くなど情報収集をしていた。

なぜ川口のクルド人問題に興味を持ったのか

私は立教大学在学中、ソフトテニス部にいたので、大会や練習で蕨駅を始め、埼玉県は頻繁に行っていた。在学中は、埼玉県にしかいなかったんでは?というくらいに。立教大学の経済学部は当時、池袋にキャンパスがあった。だから、友人に埼玉県民も多く、「あの平和だった蕨駅がそんなことになっているのか」と思った。

だけど、調べると被告の石井孝明氏って18.1万フォローワーだ。しかも、攻撃的かつ差別的なツイートを散々している。怖い。これは他のライターも書かないはずだと思った。実際に、岩本拓也弁護士を取材した記事は当時なかった。

現地取材を数回する

記事を公開すると早速、石井孝明氏がストローマン論法で記事を歪曲して拡散しようとしたけれど、もちろん私は岩本拓也弁護士の事務所に行くこと2回、現地取材も2-3回は行っただろうか。そして、サブアカウントと切り替え忘れたらしい石井孝明氏に攻撃された。

その説明は「中卒父ちゃん話題のニュース」さんが取り上げてくれている。

記事を読んでもらうと分かるけど、私は石井孝明氏の名前は記事中に出していない。それでも、ここまでする。異論・反論は許さないという、石井孝明氏の姿勢によくジャーナリストとか名乗るなと思った。

公開までの長い道のり

私が他媒体も含め「クルド問題について書かせてください」とお願いしても、反応は鈍かった。雑誌のみという編集部の編集さんは「WEBは拡散されやすいからじゃないかな?うちが好きなことを書けるのは部数が少ないし、雑誌ってそんなに読まれないからですよ。連載できる方向で考えるけど、この問題はWEBでやるからこそ意味があるでしょうね。WEBで拡散されている話なのだから……。だけどね、編集部も一体ではないですよ。だって、田口さんは近代麻雀で有名な竹書房で介護漫画を出しているでしょう。その編集さんは、世に出ない真実を出版したいと思ったのでしょうし。当たり前だけど、どこの編集部にも熱い人間はいるんです」と言われた。

だから、SPA!の担当編集さんに3~4回は取材のたびに「この取材企画どうでしょう?」と提案しているし、担当編集さんも現地取材に同行してくれている。

今回は、この記事をきっかけに記事企画にOKが出た。

「産経新聞でも岩本弁護士への取材記事が出たでしょう?だから、しつこいけど、SPA!でも出してください!」とお願いしたところ、担当編集さんは即日で企画会議で企画を通してくれた。

書くにあたって色んな条件はついたけれど、書けることになった。

記事内容を踏み込んだ内容にできなかった理由

取材した10分の1くらいしか書けなかったのは、SPA!読者はサラリーマンだし、そもそもこういった問題は新聞が書くべき話だから。

特にご存じの方はトルコ国内の内政問題がかなり複雑だって分かると思う。

各国の利害が絡んでくる。単純に「A国がこう言ってるからこうだ」なんて書ける問題でもない。だって、自国の有利になることを各国が発信するんだから。「A国、B国も同じような報告書を出している」だと信憑性が出てくる。

朝日新聞でも報じられたけど、「トルコ政府はスパイを使ってSNSで国内をかく乱していますよ。日本人は騙されちゃってるね」というのは信憑性がある。

取材中もこの話は出ているからだ。

記事中には使えなかったギリシャの記事「トルコジャーナリストの闇の役割」との見出し

異様な和田政宗衆議院議員批判に関しては、小坪しんや行橋市議の下記ブログ。

日本までは良くても「トルコの敵」とツイートする石井孝明
https://x.com/ishiitakaaki/status/1797607034097192995

上記を読んでみると、あれれ……川口クルド人問題って、恣意的に作られた可能性がない?という疑問を持ってしまう。それで利するのはどこの国なのだろうか。

これ以上のことはWEB媒体では無理なのか

私は紙媒体にも話をつけているけれど、WEB媒体にも企画を持ち込んでいる。
もし「この問題を扱ってもいいですよ!」という方はぜひ、ご連絡ください。

冒頭の記事はYahoo!の雑誌 国内ランキングで3位をキープしていた

真実を丁寧な取材で書きたい。私のライターとしてのモットーだ。


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