見出し画像

車いすユーザー伊是名夏子さん「JRに乗車拒否された」?|障害者vs健常者・社会という構図の古さ。分断を産むだけじゃないの?

おはようございます。昨日は新学期や入学式だったご家庭も多いのではないでしょうか?

我が家の子は新学期そうそう起きられなくて遅刻しました。春休みは短かったし楽しかったし仕方ない!


車いすユーザー伊是名夏子さん「JRに乗車拒否された」というブログがTwitterでトレンドになり

不快感を示している人が多いように見えます。


読んだ時、とても残念な気持ちになりました。

周囲の車椅子ユーザーにも「伊是名夏子さんと一緒にしないで欲しい」「みんながそう考えてるわけではない!」といった声が上がっていました。


前にあいである広場で脳性麻痺の車椅子ユーザーの四つ這いおとなさんが書いてくれた記事を再度、取り上げます。


「健常者との闘い」にもう意味はない。「勝ち取る」から「一緒に創り出す」未来へ

今の時代って障害者はそんなに「弱者」でしょうか?

四つ這いおとなさんの記事にもあるように、権利を獲得するために健常者または社会と闘わなければならなかった時代があるからこそ、障害者差別解消法やバリアフリー法など法整備もされたのは事実です。

そして、障害者が住みやすい社会になっているかというとまだまだです。


だから、そういった社会への主張の仕方を否定はしません。ただ、今の時代に合っているやり方なのかというと、もうそういう主張の仕方って「古い」し「ただのモンスター障害者」と思われてしまう可能性が高い。


伊是名夏子さんのブログです。

「JRで車いすは乗車拒否されました」

でも、内容を読むと、JRは拒否していない。むしろ、法の枠外で努力義務を果たしていることが分かります。

私「バリアフリー法がありますよね。車いす対応をお願いします」
駅員C「利用者3000人以下の駅は対象ではありません」
私「障害者差別解消法があり、エレベーターがない駅は、合理的配慮としてほかの手段で対応していただく法律があります。エレベーターを作ってほしいと言っているわけではなく、エレベーターがないならば、それ以外方法で対応する義務があります」
駅員C「現状としてできかねます」

JRは旧国鉄と呼ばれますが、1987年(昭和62年)4月1日に民営化しています。要するに民間企業なんですね。


障害者差別解消法を間違ってとらえている方も多いですが(上のやり取りから伊是名夏子さんも理解できていないのか、意図的に無視したのか)

行政機関等においては義務ですが、事業者においては努力義務です。

努力してくださいということで、差別的扱いをしたのでなければ勧告・指導の対象にもなりません。


だって、民間企業に対して「障害者が求めたらエレベーターをつけなさい」「バリアフリーにすぐしなさい」と強制したら、予算が出せず、倒産しかねませんから。

それは強制したり罰則を設けられません。

「過度な負担」がある場合、「配慮ができない」という判断ができます。


行政機関等も義務とは書いてあるのですが、財政が豊かな行政区ばかりではありません。

例えば、夕張市などは2007年に財政破綻していますし、行政区でもきちんと検討した上で予算上無理だということであれば、障害者側に希望があっても「できません」ということもできます。


今回はそれを強引に押し切ってJR側に過度な負担をかけたと言わざるを得ないです。

しかも、その交渉の最中にマスコミに連絡しています。

記事化して社会問題にしたかったのは分かりますが

JR側に非はないですよね。


今、私の住んでいる自治体で聞かれる声は

「障害者の立場・権利が強くなりすぎてごね得になってしまっている」

という声の方が多くて

「障害者がしいたげられています」という声ではないです。

それくらい障害者が昔と比べて「弱者」ではなくなっている面もあります。


伊是名夏子さんの場合、政治活動もしていらっしゃるので

政治的な意図があったのでしょうが、それにしても私が感じたのは

「うわ!関わりたくない!こんな無理難題を突き付けてくるの?

だって、電動車椅子って100㎏以上するんでしょ?」

ということでした。

このことで逆に社会または健常者と障害者の分断を産んでしまっているとしか思えません。


最後に四つ這いおとなさんの文章を引用します。

もう権利は、しあわせは、そして未来は、誰の手にも握られてない。
もうそれは「勝ち取る」ものじゃない。「一緒に創り出す」ものだ。そもそも闘ってぶつかり合うのは、しんどいじゃん?だから疲れたらいったんゆっくり休んでさ、その蓄えた力をもっといい感じに活かしたらいいんだよ。それにほら、「早く行きたいなら、ひとりで。遠くまで行きたいなら、みんなで。」(If you want to go fast, go alone. If you want to go far, go together.)って言うでしょう?それならなおさら、「みんな」は多ければ多いほどいい。闘ってる場合じゃない、一緒に行こう。だいじょうぶ、そしたらきっと行けるよ。もっともっと遠くまで、行けるんだよ。

昨日はこんな記事が読まれました。まだ読んでいない方は大切な方や自分が騙されないように読んでみてください。


フリーランスなので応援してもらえるとありがたいです!いただいたサポートはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!