別れ

突然だが、今日彼氏と別れた。
原因は性の不一致だった。

いつか別れるだろうと思っていた。周りにも「別れた方がいい」以外のアドバイスをもらった記憶がない。でも別れたくなかった。

彼氏とはTwitterで出会った。スペースが大流行していた頃、度々スペースを開く私と誰でもいいからとりあえずFFのスペースに上がっていた彼とはよく話すようになった。

そのうちDiscordを交換して、2人でよく通話するようになった。
私には精神疾患があり、彼にはもっと重い精神疾患があった。
大学を休学し、毎日何もすることがない彼は、私に一日何回も電話をかけてきた。
私がもともと通話が苦手だったこともあり、初めは頑張って応じていたものの次第にしんどくなってきてしばらく無視していた。

そんなある日、突然DMで告白された。
誠実な文章だった。
流石に無視するわけにいかず電話をかけると改めて告白された。
私はそれを受け入れた。
私はとにかく寂しくて、誰かに自分を肯定してほしかった。こんな自分に告白してくれることが嬉しい、ただそれだけだった。
彼のことが好きだったのか、正直わからない。今でも恋愛感情がなんなのかわかっていない。
こうして遠距離恋愛がスタートした。

それからというもの、彼は酷く私に依存していた。一日10回以上電話がかかってくることもざらだった。
通話の頻度は時が経つにつれ落ち着いたが、私は正直ずっと「彼と通話できる喜び」よりも「通話が義務になっている苦痛」の方が大きかった。
でも彼とは普段人とするのは憚られる病気・障害の話や社会の偏見の話をたくさんできてとても楽しかった。本当に、本当に楽しかった。

彼と会うときは遠距離恋愛なので毎回ほぼ旅行にならざるをえず、お互い体力がないので毎回疲れていた。
店員との会話が全くできない彼のためにすべての店員との会話を代行し、何を注文するか決められない彼のために選択肢を絞ってサポートした。
一度私の家に泊まりに来たときは、朝起きられない彼に無理やりコンサータを飲ませて2時間起こし続けた。
「ごめん、よくキレないね」彼はそう言っていた。

私はこれらのサポートは全くもって苦痛ではなかった。詳細は伏せるが生育歴のおかげでこういうのには慣れていて、「必要とされる」のがとにかく嬉しかったからだ。

それよりも苦しかったのは私がアセクシャルで全く行為をしたくないのに対して、彼は普通にしたかったことだ。
彼は本当に優しく思いやりがあったので、私の意思を尊重してくれた。そのおかげで1回も行為はしていない。

今日の通話で「次いつ会う?」という話になった。そして、彼はこう切り出した。
「本当にそういうことできない?」
そうだよな、と思った。毎回私が彼に我慢を強いていることはもちろん自覚していた。ずっと苦しかった。

数時間に及ぶ話し合いの末、「お互い譲れないから別れよう」という結論に至った。
仕方ないことだった、と思う。後悔はない。
こうして1年2ヶ月の恋愛は終わった。

彼氏へ
今まで本当にありがとうございました。


追記:でも院試2週間前に別れるのはいくらなんでもきつい!!!


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