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Motivation Journal #1 | はじめに

ちょこっとモチベーションについて書こうと思います。
自分の学びと振り返りのために。


はじめに

この note は私の思考をふと思いつきで書き留めておくためのものです。
「絶対的で普遍的な何か」を書くことはありません。

研究や理論のお話も時折登場しますがあくまでそれは切り口として使うだけで「研究でこうした結果があるから〜は正しい」のような断定的な話をすることもありません。

モチベーションや心理学一般に興味がある人間としてちょっと考えていることや思うことを綴っているだけです。

世の中にはこんな捉え方もあるよ、こんな考え方を持っている人もいるんだ、くらいのトーンでお読みいただけると嬉しいです。


もう少しだけ自己紹介をしておくと..。
私は大学院でモチベーションの - 特に言語学習における動機づけの - 研究をしていました。
モチベーションとはそもそも何か、どうすれば上がるのか、保てるのか、などをずっと考えていました。

なんて書き始めると大そうに聞こえますがたかが大学の数年間、その後大学院で1年間真剣に本や論文を読んで議論を重ねて実践して、くらいのものです。

と前置きはこれくらいにして本題に入ります。


モチベーションについて考えるとき

世間 (?) ではモチベーションという概念がある種魔法のように捉えられているように感じることがよくあります。

「モチベーションが続かない」
「モチベーションが下がってしまう」
「モチベーションがないから英語の勉強ができない」

こうした言葉はつまり「モチベーションがあればなんとかなる」というの前提のようなものがあって、それがないから今はできないのだと理由づけを行なっているんですね。
理由づけ自体は何も悪いことではないですし、私もこうした言葉を使います。

ただ、この note の冒頭として誤解を恐れず核心的なところから述べると「モチベーションの高さと英語力の高さに直接的なつながり」はありません。

断定的なことは言わないといっておきながらいきなりなんだ!と言う感じですが、この「直接的な」という箇所が肝心です。

「モチベーションが高かったから彼女の英語力は一気に伸びたんだよ!」という言葉は納得感ありますし特に私も否定はしないですが、より厳密に説明するのであれば、モチベーションが高かったから「たくさん / 真剣に勉強して」そのおかげで英語力が伸びたんですよね、きっとその彼女は。

*広義で '勉強' と書きますが言語学習においては読書や会話など英語に触れること全般を含む

主張をまとめると <高いモチベーション → 高い英語力> はちょっと説明不足で、<高いモチベーション → 多い学習量 → 高い英語力> がより正しいですよね。

要するにここまでの話としては英語力を上げるために必要なのは - 至極当然のことながら - 多くの時間英語に触れること・勉強をすること・英語を理解することであって、モチベーションを上げることではないということ。

逆の言い方をするとモチベーションなど一切なくても、上記の類のことをすれば英語はめきめきと伸びていくわけです。
決めたことを淡々をこなしていくことができれば、英語力は上がります。
そんなん理由で、まず冒頭で「モチベーションと英語力アップには直接的な関係はない」と述べました。

このままだとあたかもモチベーション不要派 (?) のような切り出し方ですが、実際に世の中 - そして応用言語学界の中には - モチベーションの研究があって、多くの研究者や教育者が真剣に議論してその理解を深めようとしているんです。

ではなぜモチベーションについて考える必要があるんでしょう?


その答えに飛びつく前に、もうひとつ考えておきたい前提があります。

こんなことを言った・感じた経験はないでしょうか。
「勉強するモチベーションがない」「やる気がないから今日はおしまい」
私もありますし、よく使います。

ただモチベーション (の理論や研究) というものの多くはこうした「目の前の一回きりの行動や動作」について説明・解明しようとするものではありません。

例えば「語学が好きで英語を愛し辞書をすぐ開きいつも積極的に英語に触れようとする」人がいたとします。
人々は彼女を「いつも英語学習のモチベーションが高い人」と描写するでしょう。

しかしそんな彼女でも体調が悪ければ参考書を閉じるし辞書を忘れれば単語は調べられません。

微妙な例だった気もしますが言いたかったのは「モチベーションの有無や強度に関わらずできる時はできるしできない時はできない」んですよね。

またもや「なら結局なんでモチベーションについて考える必要があるの..?」となってきましたね。


ここまで引っ張っておきながらおそらく読者の方が納得するような目覚ましい答えを私は持ち合わせておりません。
あくまで「私はこう捉えているよ」を提供できるのみです。

そんな読み手の方の落胆を予期しておきながら何故 note をこんな出だしにしたかというと、モチベーションについて考える時には、多くの方が抱いている (ように私には見える)「モチベーションに対する幻想的な期待感」みたいなものをまずは取っ払って欲しかったからです。

前述の通りモチベーションがいくら高くても (直接的に) 英語力アップには起因しないし、常時高いモチベーションを持ち合わせていても常に勉強ができるとは限りません。

このように、モチベーションは魔法のように働くわけでもAIのように便利なものでもない、と認識しておいた方が、のちに話すモチベーション理論・研究について価値をより高く感じれるのではと思います。


これらの前提を共有した上で私がモチベーションについて大事と考えるのは、一時的な感情の揺らぎをどうこうしようとするのではなく「平均的にモチベーションが高く保たれた状態を目指す」ということ。

そしてそうすることで「言語学習のさまざまな側面で利点が生まれる可能性がある」程度に捉えています。

モチベーションがあれば英語力が上がるとか、毎日勉強できるとか、そんな夢物語ではないですが、「さまざまな側面で利点が生まれる可能性がある」のであれはそれは十分に考える価値のある話です。

ではそれらはどんな利点なのか、モチベーションにどう向き合っていくことが効果的なのか、そんな話をこの Motivation Journal では綴っていきたいと思います。

本当はここまでがこの note の冒頭で、この後「モチベーションをメタ的に捉える」話と「モチベーションを下げやすいマインドセット」について書く - そしてその部分こそがこの note で最も盛り上がる -予定でしたがどうやら私の力はここまでのようです..。

Xであまり出していないと思いますが普段からモチベーションについて考えているので書きたいことはいっぱいあります。

そのうち続きを書きますので応援よろしくお願いします。


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