借り物の、肌。

触れ合いを大切にしている。

大切にしているからこそ、自分が触れる対象を
とても重んじる。

サービス業の接客業。ましてやお酒の入る場所。
イキナリ距離が近い人にはとても抵抗感が湧くし、自分から触りたいと思った人にしかスキンシップはしない。

そのくらい皮膚感覚って、人に安心感を与えたり警戒心を覚えさせたりする。

先日フと、過去の自虐行為を思い出した。

自殺願望に支配され、無性に死に魅了され、自分を攻撃する日々。

自分で可能な限りのボディーピアスに挑戦したり、針で身体に文字や絵を描く。明らかに身体に悪いであろうグレーゾーンな物をガンガン摂取したり、我を忘れたくてトリップする日々。
自分を見て欲しい願望の現れであろう。
なんて稚拙で幼稚な承認欲求。

「死ぬ事は選び取れる事やよ。だから死に急ぐ事は無いよ。」と教えてくれた、恋人のようにいつもピッタリと付き添っていた先輩。
そんな先輩とは、同性ながらいつも手を繋いで寝ていたし
同じ空気を吸っている事に安心していた。
もし当時その彼女が前触れなく突然目の前か居なくなったら文字通り本当に呼吸が出来なかったかもしれない。

今でも、男女問わず安心する人と手を繋いだり
寄り添ってもたれかかる事が好きだ。

思いっきり体重を、相手にかけるのが好きだ。

遠慮なく抱きしめさせてくれる人が大好きだ。

思春期突入しだした娘。
今まで存分に抱っこさせてくれた娘。

そんな娘が、全然触れ合ってくれなくなった今、この持て余す母性と我が家でのリラックスタイムに気軽に皮膚感覚を満たしてくれない気持ちのやり場に困っている。

自宅で気軽に触れ合えるレンタルペットやレンタル赤ちゃん、はたまたレンタル彼氏のサービスがあると流行るんでは無いだろうか。

こんなあたしみたいな人の為に。

でもあたしは、本は買う派だし人の物は気を使うから、借り物は本当は嫌。


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