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熱狂コンチェルト2022哀愁のラフマニノフ 3大名曲選!!

 行って来ました、ザ・シンフォニーホール!

 ヘルベルト・フォン・カラヤンをして「世界一の響き」と言わしめ、「日本初のクラシック専用ホール」として建てられたと聞き、初めてその響きを体験する私は、この日をわくわくしながら待っていました♪

現地到着まで 

 タリーズがトムとジェリーとコラボして、素敵なドリンクを販売中と聞いて、立ち寄りました!
 角野隼斗さんのファンである私は、トムとジェリーと聞くと、過去のYouTubeの演奏を思い出して、懐かしい気持ちになります。

 ちなみに、私が頼んだのは「桜香る桃のティーオーレ」。
 ホットかアイスを選べるのは、この寒い日には有り難かった……! 
 ホットティーが身も心もぽかぽかにしてくれました♪

めちゃくちゃ可愛い! パッケージに一目惚れ。

開演まで

 この日は雨で外は寒かったのですが、その湿気があって暖房が効いているからか、中はとってもあったかかったです。
 でも、暑くなって汗をかいて、その後ぞっとして来たので、結局開演直前で上着を着用(笑)。

 ホールでは開場から開演前二十分位まで、ずっと調律師さんが調律をされていました。そのお仕事が感動の音色を生み出す一助になっている訳で、いつも本当に頭が下がります。
(後で、途中の休憩時間も調律されていました……!)

 座席間隔は狭めで、デフォルトの位置だと人のすれ違いが難しい。とは言え、実は座席は動かせる(!)ので、誰か通る時には、椅子ごと動けばOK。
 私の座っていた列は、後ろが壁だったので、通行時はみんなで一斉に後ろに下がってくれました
 優しい人ばかりで嬉しい。温かい世界。

 でも、そうすると舞台が見えなくなる位置の座席だったので、演奏開始までに元の位置へ。
 前にもたれ掛かれる手すりがあるので、そこを掴みながら舞台を覗き込むと、何とか指揮者さんとピアニストさんのお顔が見える感じ。
 いや、でも文句は言わないです。今日演奏が聴けるだけでラッキーでありがたいので!

プログラム

[指揮]三ツ橋敬子
[ピアノ]関本昌平、角野隼斗、上原彩子
[管弦楽]日本センチュリー交響楽団

ピアノ協奏曲 第3番 ニ短調 op.30 (関本昌平)
パガニーニの主題による狂詩曲 op.43 (角野隼斗)
ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 op.18 (上原彩子)

 以下、各曲についての感想を書きます。
 音楽については素人なので、感性のままに現地で感じたことを綴って行きます。ご了承下さい。

ピアノ協奏曲 第3番 ニ短調 op.30 
(関本昌平)

 トップバッターは、関本さん。

 ホームページの告知ページにあったものと、当日のプログラムは順番が違ったので、ちょっと驚きつつも、最初の一音をわくわくしながら、待ち構えました。

 ザ・シンフォニーホールの音色。
 クラシック音楽に最適とされる「残響二秒」の実現のために、拘って建てられたホール。

 開始後、わあ、素敵と心の中で声を上げました!
すべての音が、バランス良く調和して聴こえて来る感覚。
 どの音も尖らず、でも輪郭がぼやけることなく、芯のあるまろやかな音色で最高。

 ちなみにこの曲は、アメリカ演奏旅行のために作曲されたとのこと。
 アメリカに向かう船の中に音の出ない鍵盤を持ち込んで練習したと言うエピソードの通り、第一楽章を聴いていると、船に乗って海を行くイメージが頭に浮かびます。
 ラフマニノフの演奏旅行への希望と不安が見え隠れするような、そんな雰囲気。

 関本さんのピアノが、たゆたう海のような音色で、浸っていてすごく気持ち良い。

 第二楽章は、オケの音色が侘び寂びを感じさせて印象深く、また、ピアノの見せ場が沢山あって、うっとりと聴き入りました。

 関本さんの音が、次々と表情を変え、ホールを包み込む。
 水面の水鏡に、時間と共に表情を変える空の様子が映し出されているのが、目に浮かぶような、そんなイメージ。

 第三楽章の演奏はドラマチック!
 何回も涙腺を刺激されて、胸にビンビン来る。

 ラフマニノフのアメリカへの演奏旅行に対する希望が、不安を上回ったのかな、と言うような、力強い演奏。
 船から太陽に照らされてキラキラ輝く港が見えて、アメリカ到着前のワクワク感を感じさせるようなフィナーレ。

パガニーニの主題による狂詩曲 op.43 
(角野隼斗)

 続いては、角野さんが登場。

 冒頭から、音の粒が飛んで跳ねて、宙を舞う。
 全身で音の流れに乗って弾いている。

 光り輝く音の粒は、場面ごとに色やカタチを変える。
 クリスタルみたいに硬質な輝きを放ったと思えば、真珠みたいに転がったり……!

 以前、彼のYouTube配信で、「音色辞書」と題し、自らのピアノの音を二十一種類に分類して、名前をつけると言う企画がありましたが、今回の選曲は、その多彩な音色を堪能出来るものだったなと思いました。

 次々に姿を変える虹色の音色に、ワクワクが止まらない。

 以前、全国ツアーのトークで、演奏でみんなをハッピーにしたいと語っていた角野さん。
 今日も、その気持ちが音に宿っているように感じました。
 温かくて、胸に沁みる音。
 やっぱり、角野さんのピアノの音が大好きだ、と再認識。

 ホールの造りや、使用するピアノでも音は変わる。
 でも、演奏者自身が持っている音色の個性もあると思います。

 この音色が好きで堪らないから、コンサートに行くのをやめられないんですよ……!

 コロナ禍の序盤で、彼のピアノに出逢えた幸運には、本当に感謝。
 毎日、どれだけ元気をもらっていることか。

 特に、心に沁みたのは、第18変奏。

 演奏前から、「絶対、ここで感動するだろうな」と思っていましたが、実際に演奏を聴いて……予想に違わず、感動しました!

 ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番の第二楽章や、ショパンのピアノ協奏曲第1番の第二楽章に似た雰囲気があるな、と個人的には感じていて、天国を思わせる箇所。

 本当に見えちゃったよ、天国……!

 天国の空気感って、こんな感じなのかなと思うような雰囲気がホール全体を包み込んでる、そんな感覚。
 このえも言われぬ、この世ならざる幸福感、たくさんの
人と共有したい……!

 後、印象的だったのは、最後の第24変奏
 私の脳裏を過ぎったのは、古き良きRPGのボス戦の光景。何故……!
 金管楽器の音色の使い方が、そう思わせるのか……?

 皆さんはどんな印象を持ったでしょうか。
 それぞれの変奏から受ける印象は聴き手によって、様々かと思いますが、同じ連想をした方がいたら、嬉しいかも。

 濃密だけど、終わってみればあっという間だったようにも感じる演奏。
 びっくり箱を次々と開けていくような楽しさがあって、また頭から聴き直したいなと、終わった直後に思いました。
 もう一度、どこかで聴く機会が出来たら嬉しいです。

ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 op.18 
(上原彩子)

 最後は、上原さんの演奏で締め括り。

 漫画「のだめカンタービレ」で一躍有名になった、人気曲。
 個人的には、人生で辛い場面に差し掛かる度に、何度もこの曲で救われたこともあって、思い入れが深い作品。

 ラフマニノフ自身が、作曲前に陥っていたスランプと鬱から抜け出すきっかけになった曲と言うこともあってか、不思議な癒しの力が宿っているように感じます。

 不幸のドン底から希望の光を見つけて、長い長いトンネルを抜け出し、色々あるけど、やっぱり世界は美しいなと、身の回りの幸せを再発見する、そんな曲だと個人的には感じます。

 上原さんは、どんな演奏をされるのか、始まる前はドキドキが止まりませんでした。

 冒頭部分から、今まで聴いたことのない優しい鐘の鳴らし方に惹き込まれて、上原さんの世界へ。

 彼女の音色からは、不思議なのですが、映像がはっきりと見える感覚がありました。

 頭に浮かんだのは、大鵬(大鳳)
 中国の古典に出て来る、伝説の大きな鳥なのですが、羽ばたきと共にその羽の一部が抜け落ちて、ホールに雪のように降り注ぐ、そんなイメージが眼前に。

 第三楽章ではいつの間にか、私自身が大鵬の背に乗せられていて、天の川を眺めて帰って来たような、そんな感覚に陥りました。

 妄想も妄想、と言う感じなのですが、本当にそんなビジョンがありありと見える演奏で、今日の思い出として記念に書き残しておきたいと思います。



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