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ペースメーカーをつけている人にストレッチすると仮定して勉強したことと学び

知りたかったこと

  • 運動やストレッチすることでのリスク

  • 何に注意する必要があるか

  • 何のためにペースメーカーをつけるのか

  • ペースメーカー適応疾患の病態や生活上の注意点について

調べたこと

  • ペースメーカーの役割、適応

  • ペースメーカー適応疾患について

  • 構造と固定方法

  • 日常生活での注意点

  • ペースメーカーの脱落原因


1 ペースメーカーについて

  • ペースメーカーは人工的に心臓を動かす機械で、心臓にある刺激伝導系の働きを補ってくれている

  • 役割は心拍数が少ない人の心拍数を増やすことで、主に徐脈性不整脈の人に使われる(①洞不全症候群、②房室ブロック)

  • 構造的には電気刺激を発生させる本体と、電気刺激を伝えたり心臓からの刺激を感知するためのリードで構成される

  • 本体は主に鎖骨下の皮下脂肪と筋肉の間に埋め込まれ、リードは鎖骨下静脈より右心房や右心室へ挿入される

  • 体に定着するまで約半年くらいはかかるため、急に腕を上げる動きなどはリードの位置がズレたり、本体が脱落するリスクがあるため注意が必要


2 ペースメーカーの脱落原因とストレッチでの注意点

  • 胸壁結合組織の脆弱性

  • 先端の固定不良

  • リードのたわみ不足

  • 運動過多

  • 術後の安静時間不足など

術後1ヶ月で介護際に左上肢を牽引されリードがズレる症例がある。術後から期間が空けば固定されやすくなるかもしれないが、ペースメーカーがどこに着いていてどこに向かって伸びているのかをケアする側は知っておくことが重要。

注意したい動きは急に腕を上げたり、ぐるぐる回したり、後ろに引っ張ったり、リードが抜けそうな方向に周囲の皮膚や筋肉を引っ張る動きなど。


3 ストレッチの意外な効果

不整脈があったりペースメーカーをつけてる場合、動くことによって悪化リスクもあるため、不安から身体活動量が減りやすかったりしやすい。

またペースメーカーをつけている場合、ズレるリスクから肩を動かさなさすぎて、逆に首・肩
周りが固まって不調につながりやすかったりもすることが考えられる。

ただ、除細動機能付きペースメーカーをつけた慢性心不全を持つ人を対象にした研究によると、ストレッチングを行ったことで、血管内皮障害や運動耐容能の改善が見られた。

血管内皮障害については、血管内でNOが産生されることで血管拡張作用が起きたことだと考えられている。また血管拡張に伴い骨格筋への血流も増加することで、運動耐容能につながったと考えられている。

ストレッチングのメリットは、単に筋肉の柔軟性や関節可動域を上げたりするだけでなく、低負荷の運動としての効果も挙げられる。

様々な運動方法がある中で、ストレッチは自宅でも実施可能な方法であるため、ペースメーカーをつけていたり、心疾患を持つ場合でも比較的行いやすい方法なのかもしれない。

ただ、自宅で行いやすいとしても注意すべき部分はあるため、トレーナーとして行う場合もセルフで自宅でやってもらう場合も、前述したような知識を持った上で提案することが求められるのだろうと考える。

まとめ

  • まずペースメーカーについて知り、一般的にどんなリスクや注意点があるのかを知ることが重要

  • ストレッチすることを前提として考えた場合、どういう動作でリードがズレやすいのかや、動かさなすぎて体が不調に傾いていってしまう可能性も考慮した方が良い

  • その上でどんなストレッチやセルフケアdrができるのかを考え、提案できるようにしていくことがトレーナーに求められる


参考文献:


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