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旅の始まりは小説からでした

 若い方たちが言う「聖地巡礼」と同じだと思うのですが、私は本を読んでいてそこに出てくる場所に行きたくなることがあります。
 私が旅に出るようになった始まりは、夏川草介氏の「神様のカルテ」を読むようになってからです。
 
   この物語は松本を舞台にしているのですが、そこに出てくる景色がどうしても観たくて、12.3年前でしょうか、松本の深志神社と安曇野にある仁科神明宮に日帰りで旅しました。
 漫画のように視覚から入るのとは違い、文字の中で景色を想像するしかなく、それだけではすまされなくなり、実物を観てみたくなった。
この物語の中に入りたっかたんです。

 実際観に行ってみて夏川氏の丁寧な描写に感動しました。
そして、シリーズ2の冒頭に出てくる「美ヶ原高原」に行ってみたっかった。そこに建つ「王ヶ頭ホテル」に泊まってみたくなりました。

王ヶ頭ホテル

 ここで王ヶ頭ホテルの話させてください。
(先日のバナナマンのせっかくグルメで放送されてましたね)
どうしても泊まりたっかったこのホテルは、1人泊できません。
私は、旅はどちらかというと1人を好みますので、ずっと諦めていました。

 でも、でもですよ
2021年3月、コロナで宿泊者減少したことで、期間限定で1人泊ができたのです。
偶然見つけたこの情報は勝手にご褒美だと思いました。

 標高2000メートルに佇むホテルからの景色は360度遮るモノは無く、天空にいるかのようで、それは部屋からも、大浴場からもレストランからも味わえて、それだけで興奮しました。
 お食事は言うこと無しの美味しさ、大浴場の他に時間制での無料貸切風呂もあります。
 山の上なので、宿泊客を飽きさせないイベントもあって、私が訪れた時は雪も残っていたので、美しの塔までの往復を雪上車で連れて行っていただきました。
 ホテルの中は、至る所にさまざまな形の椅子があって、本を読んだり、景色をぼーっと眺めたり、全然退屈しませんでした。
 星を観たいので、夜半の12時、2時、4時に起きて1人で外で星を観察、1番たくさん星を観ることができたのは4時でした。
 少し仮眠して今度は待望のご来光。
ただ、ただ感動しかありませんでした。
 ホテルの方も私が1人泊だからじゃないと思うのですが、よく声をかけてくださり、山の話や美味しい食べ物の話を聞かせていただき、とにかく楽しかったです。
 また、機会があれば絶対泊まりたいホテルでした。

神様のカルテ


 この小説はシリーズは、全5巻まであり、映画やドラマ化もされました。
この物語には俗に言う「悪い人」は登場しません。癖のある人物はいます。
だからなのか、読み終わると、優しい気持ちになります。
もちろん、病院が舞台なので読んでいて辛い場面もありますけどね。
 それから、日本酒。味わってみたくなる。だけど、容易く手に入れられないお酒が多くて…でも今年、知り合いから『飛呂喜』という大吟醸頂きまして、物語を読んでる時から好みの味だと思っていましたが、全く思った通りでチビチビ呑んでいます。願えば叶うモノですね。
 そして、何より、主人公の妻、榛名さんは、女性からみても、妻としてみても鏡ですね。「ムリ、ムリ」と思っていつも読了します(笑)
 映像も良いですが、断然小説の方がお薦めです。
 興味ありましたらぜひ読んでいただき、松本へ旅してみませんか。

お付き合い頂きありがとうございました。


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