自然と職人の究極のコラボ
現在お仕事を一緒にさせていただいている現場では様々な日本の伝統工芸の域の仕事が内装で見られます。
以前このnoteでも紹介した猿頰面取りの障子もその一つですが、他にも驚くような神業を見ることができます。
この記事のトップの写真はサンドブラストという技術です。
木材には年輪があります。板の取り方によってその年輪が縦に平行に入るような木取りの仕方をするものを、「柾目」と呼びます。
柾目に模様ができるのは夏と冬で木の成長の早さに違いがあり、茶色い濃いところは冬目と言って、成長が遅くて硬く、薄い色のところは夏目と言って成長が早く柔らかくなっています。
柾目の模様の板材に機械を当てて、柔らかい夏目の部分だけを切り抜いていくのがサンドブラストという手法です。
木の薄い色の部分が切り抜かれ、このように家紋を作り出しています。この部材は照明として使うそうです。
1mmもない冬目の部分だけ残すってまさに神業! です。
サンドブラストは、このようにレース編みのように細かい模様を作ることができるのですが、その歯の当て具合などで、できる職人さんは少なくなっているそうです。
裏から光を通さない場合は
このように黒く影のようになって見えます。
とても繊細な作業で、これに値するような外部で使える技術はないなあと思いました。
伝統工芸の技術をあちこちに散りばめた、お宅の門構えや庭を設計することができて、とてもありがたいことだと思うのです。
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