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私は白雪姫にはなれない

幼稚園や保育園での劇の発表会。
何の役になるのかな。
主役?主役の敵役?たくさんいる動物の役?

主役をやりたい子は、たくさんいますよね。

私が保育園に通っていた時、
【白雪姫】をやることになりました。

当然、主役の白雪姫をやりたいという女の子がいました。
2人が白雪姫役になれたと思います。

私は白雪姫を
やりたかった・・・
心の奥では
やりたかったけど、
私は白雪姫になれるような
そんなカワイイ子じゃないし、

私なんかより女の子っぽい、
キラキラしたイメージの子がなるものだろうと
5歳にしてそう思っていました。

どうせなれないし。

私が選んだ役は
残り物の
【魔女】

あの意地悪な毒リンゴを白雪姫に食べさせる。
【魔女】です。

誰もどうせやりたがらない、 
どうせ、誰かがやらなきゃいけない。
この役をやればみんな助かるだろうな。
そんな気持ちだったと思います。

「みんながやりたがらない役をやるなんてエライ!」
と先生から褒められた気がします。

もしかして、それを望んでいたんでしょうか。

劇の本番は
緊張しながら
「鏡よ鏡。世界で一番美しいのは誰?」
ちゃんとセリフを言えた記憶があります。

本番が無事終わり。
もう使わなくなった
白雪姫の衣装で休み時間に遊べることになりました。

みんながまだ来ない朝早い時間、
誰にも見られないように
白雪姫の衣装をつけました。
レースのスカートだけでしたが、
とても嬉しかった。

やっぱり私
【白雪姫】になりたかったんです。

友達が来て、恥ずかしさがありましたが、
友達に「似合わないね」なんて言われず、
一緒に遊んだような気がします。

白雪姫のような可愛いらしい服が着られて
幸せでした。
別に白雪姫役をやらなくても
カワイイ服を着られることが嬉しかった。

やっぱり私もカワイイ女の子への憧れがあったんです。

くせっ毛だったこともあり、
小さな頃はずっと、親が決めたショートカット。

赤やピンクを着るキャラではない。
女の子女の子した子ではない、
可愛いくない、私。

この勝手な決めつけ。
私はこうでなくてはならない。

でも
本心ではこれをやりたい。

大人になった今
やらなきゃいけないこと
こうあるべきこと
に縛られて生きてきたと
気づき始めて数年。

そこに気づくことで
少しずつ
その縛りが緩まってきている。

「どうせ私は・・・」ではなく

他人からの目を気にするのではなく、

もっと自分を生きたい。



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