東田直樹さん。 50冊目のご縁から

今朝、「NHKおはよう日本」を見ていたら、東田直樹さんが出演されていた。4月2日が世界自閉症啓発デーで、この日に合わせて映画「僕が跳びはねる理由」が公開されるということだ。是非、見たいと思うと同時に、東田さんを初めて知った時のことを思い出した。

2013年9月12日。私はJR田町駅で、「ビックイシュー」を購入した。その時だ。「お客様、ありがとうございます。あなたが、ちょうど50冊目を買ってくださった方です。記念にこれを。」と小さなビニール袋に五円玉とありがとうのメッセージと日付の書かれたメモ用紙、そこに私の名前を書き加えて、雑誌と一緒に渡してくださった。仕事帰りで疲れた心が、ほっこりして癒されたことを覚えている。その「ビックイシュー」に東田さんの記事が掲載されていた。

その時初めて、重度の自閉症の方が、文章で、感情豊かに気持ちを表現できるのだと知り、驚いて感動した。もちろん、私の想像をはるかに超える、ご本人やご家族の並々ならぬ葛藤や努力があることには違いない。

もう38年前になるが、私は保育士(当時は保母)として、自閉症のお子さんの担任をさせて頂いていた。当時は、私自身も専門的な勉強をしてきたわけではなく、保育の短大を卒業したばかりで、自閉症に関する知識は本当に乏しかった。周りの理解も現在とは格段の差がある。未熟な担任だった。彼は、笑顔がとても可愛いらしく、数字と車が大好きだったことを記憶している。彼とのコミュニケーションは難しいこともたくさんあったが、不安な時に抱っこをしてあげると、ぎゅっと首に絡みつく感覚が愛おしかった。東田さんのことを思うと、彼のことを思い出す。

三浦春馬くんも東田さんとは、ご縁がある。NHKスペシャル「自閉症の君が教えてくれたこと」の朗読をしていた。実は、この番組を、私は見ていない。父と母がこの頃入院していたりと、バタバタしていた。再放送も見逃している。東田さんのエッセイは大好きで、「命のバトン」も読んでいた。春馬くんの声が聞きたい。

いろいろなご縁に導かれていることの不思議を深く感じている。



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