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一般就労中・休職期間中の障害福祉サービスの一時的な利用(令和6年度報酬改定)

令和6年2月6日(火)に報酬改定の概要が厚生労働省の障害福祉サービス等報酬改定検討チームより発表されました。

一般就労中に一時的に障害福祉サービスを利用する際の評価(対象:就労移行支援・就労継続支援A、B型・生活介護・自立訓練)

今までの就労移行支援は一般就労を目指す障害者就労継続支援A、B型は通常の事業所に雇用されることが難しい障害者が利用対象となっていたため、一般就労中の障害者は原則利用できませんでした。

以下の理由から一般就労中でも障害福祉サービスの利用が望ましいという声が上がっていました。

・一般就労中の障害者の労働時間を段階的に増やしていく
・休職からの職場復帰を目指す 等

障害福祉サービス等報酬改定検討チーム
第38回(R5.10.11)資料5 2ページ

一般就労中に利用できることで以下の効果が望めます。

・通い慣れた就労系障害福祉サービス事業所でも引き続き就労することにより、生活リズムを維持したまま、段階的に勤務時間の増加を図ることが可能
・企業等と就労系障害福祉サービス事業所が相互に情報共有して、時間をかけながら支援することにより、合理的配慮の内容等について調整が受けやすくなるなど、その後の職場定着に繋がる
・復職に必要な生活リズムを確立するとともに、生産活動等を通じて、体力や集中力の回復・向上、復職後の業務遂行に必要なスキルや対処方法の習得などに取り組むことが可能
・企業等における復職プロセスに沿って、主治医や産業医とも連携を図りながら対応することができ、円滑な職場復帰に繋がる
・支援の選択肢を広げて本人の一般就労への移行や復職を支援しやすくする

障害福祉サービス等報酬改定検討チーム
第38回(R5.10.11)資料5 4〜5ページ

令和6年4月から通常の事業所に新たに雇用された後に労働時間を段階的に増やしていったり、休職からの復帰を目指す場合に一般就労中であっても障害福祉サービスの一時的な利用が可能になりました。

その場合の注意点は以下になります。
・基本報酬を算定する場合の労働時間や工賃から一般就労中の障害者の分を除く(就労継続支援A、B型)
・休職期間中に復職支援として生活介護や自立訓練を利用する場合、雇用先企業や主治医の意見書等の提出が求められる
・段階的に労働時間を増やしていく場合の利用期間については原則6ヶ月以内
・休職から復職を目指す場合の利用期間は企業の定める休職期間と合わせる

基本報酬を算定する場合の労働時間や工賃から一般就労中の障害者の分を除く(就労継続支援A、B型)

短時間利用を希望する一般就労中の障害者を一時的に受け入れた場合、就労継続支援A型の平均労働時間や就労継続支援B型の平均工賃月額に影響が出てしまうため、現状ではデータが限られてしまうことから基本報酬を算定する場合の労働時間や工賃から一般就労中の障害者の分を除くこととされています。

休職期間中に復職支援として生活介護や自立訓練を利用する場合、雇用先企業や主治医の意見書等の提出が求められる

今後の事務連絡で具体的運用が周知されますが、生活介護や自立訓練で支給申請する際には雇用先企業や主治医の意見書の提出も求められてきます。

段階的に労働時間を増やしていく場合の利用期間については原則6ヶ月以内

企業等で働く準備を進めた上で、労働時間を増やす時期を目標として定めつつ、状況に応じて進めることが効果的と考えられています。
原則3〜6ヶ月以内で延長が必要な場合は合計1年までとされていますが、円滑な職場定着が図られるように、個々の状況に応じた設定も検討されています。

休職から復職を目指す場合の利用期間は企業の定める休職期間と合わせる

期間を制限する取扱いは行っていないため、就労移行支援の標準利用期間の2年を上限として企業の定める休職期間の終了までの期間で検討されています。

就労系障害福祉サービスに係る横断的事項について≪論点等≫
https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001155213.pdf

障害福祉サービス等報酬改定検討チーム
第38回(R5.10.11) 資料5


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