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「明日試そう」を生み出したい

臨床心理士の徳田です!
支援職(福祉、心理など)の働きやすさ、社会的地位の向上を目指す対人支援職向けのイベント主催団体「Assemble」を立ち上げ活動しています。

Assemble名義で勉強会を9回企画してきました。

「まずはやってみようぜ!」と友人の心理士と始めたのが去年の夏。
仲間が少しずつ増え、自分なりのペースで成長はしていたものの、なんとなく「なんのために勉強会を企画してるんだっけ?」と停滞を余儀なくされた事がありました。今回はそのモヤモヤの言語化と、そこから学んだあれこれを書き記したいと思います。
備忘録的、また、こういった活動に興味を持ってくださる方が一人でも増えることを願って。
支援職向けのトピックを中心に企画していますが、今回の話は勉強会やセミナー運営者にも参考になると思います。

前進する中で抱いた違和感

2月開催の精神科医VS臨床心理士の勉強会や、相談記録の勉強会は、おかげさまで参加人数や収益が過去最高となり、集客に苦労する事もありながら、リピーターさんや参加人数も増加し、アンケートの評価も上々でした。

2月開催勉強会のチラシ

20200216勉強会

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ちょっとずつステップを登れている実感はありましたが、とあるきっかけで立ち止まることになりました。
それは、参加者の方に「勉強になりました、ありがとうございました」と言ってもらった瞬間。
ふと、嬉しいながらも「これでいいんだっけ?」という思いがよぎりました。
せっかく良いことを言ってくださっているのになぜか違和感を抱きました。
「この方は学んだことを明日仕事で活かせるだろうか」と引っかかりました。「学んだ気がする」というふわっとした満足感のみで、終わってしまっていないだろうかと。
団体の目的である「支援職の働きやすさ向上、社会的地位向上」を達成しているのだろうかと。

ちょっと強い言い方をあえてすると、講師の先生や知識や参加者さんの体験を使い捨ててしまっていないか、という気持ちになり、個人的にスッキリしないモヤっとした状態が続いていました。
(念のために記載しておくと、講義は素晴らしいもので、参加者さんの評価もとても良いものでした。これはあくまで、主催者として磨けるところはないのかという葛藤に着目したものです。)
答えが出ないまま、参加費をいただき、講師の方に報酬を支払うことが少し続きました。

救われた言葉たち

2/23(日)に「その相談記録、大丈夫?」という支援の記録についての勉強会を開催しました。
1日講座で、座学と演習の組み合わせ。
知識のインプットを午前中に、そしてインプットしたものをアウトプットし応用していくがっつり演習を午後に、という「明日から使える学びを持ち帰ってもらえる」ことを意識した勉強会でした。
その勉強会の事後アンケートはこんな感じ。

今日は来て良かったです。記録作成の負担が軽減できそうです。早速週明けから試してみたいと思います。ありがとうございました。
実際に記録を書いて勉強出来る場はなかなかないので、励みになりました。明後日からの仕事で意識したいです。
今日の学びを活かして、自分の記録をすぐにでも振り返ってみようと思いました。企画も内容もとても良かったです。ありがとうございました。

「明日から早速試してみます」「困っていたことが解決されそう」などのコメントがいくつもあり、これは本当に嬉しかったです。少し打破できた気がしました。

また講師の中村先生に後日こんなことを言われました。

ニッチなテーマに興味を持って、自分たちの働いていくところを良くしようと考えてる人が集まってくれたと思うので、話を聞いてくれてる感をすごく感じた気がするんですよね。関心へのアンテナ、向上心、そこを共通項にしつつ出来た会だったのかな、と。

これもとても嬉しかったです。講師の方がやりやすさややりがいを感じられるような企画が立てられた!と実感できた言葉でした。
また講師と参加者の思いが協働していたという感覚もそれそれ!って感じです。それが体現したかったんだ〜となりました。

支援職にとっての学びの目的

「面白かった楽しかった勉強になった」の先にある、「よし!明日試してみよう!」と思えることが、学ぶことの本質的な価値なのではないかと思いました。
学びの先にある「実践」まで設計がされた勉強会を目指していくこと、そして、「明日試してみよう」と思える実践的な体験が得られる事、講師と参加者が同じ課題/向上心を持って学びあえる場が提供できることがAssembleの価値でありたい、そう思う出来事でした。

学びによる「明日試してみよう」の積み重ねが、より良い支援、より良い関わりに直結していくのではないでしょうか。

これからも学びの価値を最大化できるような企画を考え続けていきたいと思います。
支援職のより良い働き方、飛躍を願って。

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