日記2024年9月④

9月11日
朝起きて(今日は休みではないか？)と直感したのだが、普通に出勤日だった。暑い。暑いが、空気の温度はまともで陽射しが熱いという感じである。残暑。
shrinkのドラマを見ていないと言ったら、見ましょうよと言われた。患者さんに。たぶんドラマそのものよりも患者さんの反応を知るほうが勉強になると思う。
夜ははせがわあかりさんのレシピでニラとたくあんのキーマカレーを作った。ノンオイルでカレー粉のほかは料理酒と塩、みりんだけである。おいしかった。
食後に3人でマリオカートをやった。親が勝ってばかりいることに子供が気づき始めて不満げにするようになった。コントローラーの持ち方が変なので持ち方を教えたのだが直るわけもなくそのままで、しかしそういえば私も小さい頃に遊びの道具の「正しい」使い方を教えられるのが泣くほど嫌いだったことを思い出したので次からはやめておこうと思った。
風呂上がりに急に具合が変になって、気分が悪かった。なんとなくなだめてマシにするのに時間がかかる。

9月12日
子供を送るのを妻に頼んでしまって罪悪感をもった。昨日から調子がよくないことが響いている。午前中に精神科の受診を済ませ、薬を補充した。次は皮膚科受診も残っているのでまた予定を立てないといけない。
いつもの喫茶店でお昼を食べたあと、家でダラダラしてしまった。罪悪感を自ら備給した感じになった。いっそのことゲームでもやればよかったが、ダラダラしてしまうのである。
子供のサッカー教室のお迎えに行った。他の保護者と話す。近所のお祭りでお世話になったお父さんがいたのでお礼を言った。対人的にオープンな態度で子供が好きそうだがあまりペラペラしゃべるタイプでもなくシャイな感じがして私と似たようなところがある気がする。また別のお母さんとは、今度一緒に遊ぶ時間と場所の相談をした。相談をしたというか、向こうがすでにかなりアイデアを練り上げてくれていて、私は「それは最高ですね」と感心するばかりであった。子供は先生から筋トレを教えてもらって、全然ちゃんとできていなかったのだが「42回もできた」とかアピールしていて親としては頭を抱えた。ボールを使った練習は少しずつうまくなっている。でも後から始めた子のほうがうまかったりもする。めげずに頑張ってほしいなと思う。
妻の迎えをして車に給油したついでにファミレスで食べて帰った。子供が頼んだアイスが運ばれるのに少し時間がかかり、少し溶けていた。
帰って今日もマリオカートである。妻の腕が上がっている。私も負けてられない。
戸谷洋志『生きることは頼ること: 「自己責任」から「弱い責任」へ』(講談社現代新書)を読み始めた。これはかなりよい本である。内容が今の社会にとってとても大事な話題であるし、論述が明晰で読みやすい。一冊の本をこのように構成して書き上げられるのがプロの学者のすごいところである。高校入試なんかに使われるのではないだろうか。
いじめにおける責任が繰り返し議論の具体例として登場するが、今日たまたま斎藤環氏の旭川市いじめ自殺事件に関する論考記事をウェブで読んだ。

〈特別公開〉旭川いじめ自殺と「いじめ後遺症」（斎藤環）

この記事の重要性は精神科医の視点からすると、①重大事件の再調査委員会委員として書いていること、②エビデンスベースドにいじめの長期的な特に自殺行動への影響を論述していること、③いじめを原因とするPTSDを明確に主張していること、④いじめの対応を具体的に強く提言していること、が挙げられると思うのだが、戸谷氏の「弱い責任」論は④の点、被害者はどのように遇されるべきで、加害者はどのように行為すべきで、そのために加害者はどのように行為すべきか、ということに新しい角度から光を投げかける。ちょうどここは斎藤環氏の記事で不足を感じる部分であった。
まだ読書途中なので読み終えてからまた考える。

リルケの「新詩集」の詩がとにかくよくてとんでもなく感動している。

9月13日
気は乗らないが出勤。朝ごはんを家で食べる気にならなくて医局でおにぎりを齧った。トラウマインフォームドケア的なことをやりまくる日になった。トラウマに基づいた理解と感情調節困難に対する認証と弁証法的戦略を接続して考えていくことが必要なのだろうなと思う。あと身体的な技法をもっと使えるといいかなあと思う。
お昼も14時過ぎにおにぎり。カフェオレを合わせたのは失敗だった。眠くなった。
カンファの前にこの1週間の他科からのコンサルテーション依頼を全件見ておく。コメントしておきたいケースがちらほらあった。
夜、妻が産休に入るので妻の食べたいものを食べようということで中華に行った。どれもオーソドックスな日本的な中華料理でおいしかった。冷やし中華がなくて子供がぐずったので帰りに冷やし中華のある店にハシゴした。今日くらいはなんでもありとする。余ったぶんは私が食べたのでお腹がパンパンになって厳しかった。帰ってからのマリオカートには参加できなかった。

9月14日
晴れ。暑い。ピアノ教室。1週間しか間隔が空いていないからか、上達が顕著だった。今日はピアノ教室の町内会のお祭りがあると聞いていたのだが、御神輿が出たくらいでお店が出ず、さまよってはみたものの、結局帰った。去年が大祭の年で、その次の年は小規模になるものらしい。
私も妻も調子がいまいち。互いに互いを気にして調子が悪くなっている。
子供に手洗いの後少し水滴を払ってからタオルに手を伸ばすことを教えた。すんなり覚えてくれた。