日記2024年7月⑦
7月23日
晴れ。暑い。朝からなんだか物悲しい。駐車場のなかなか干上がらない深く広い水たまりを2組のつがいのトンボが交尾しながら飛んでいた。しかしヤゴはそこでは育たない。
なんだか心身の重い日であった。
帰りにスーパーで買い物をした。妻と同じレシピを共有して頭に入れておくと、買い物しやすく無駄も出にくく、作るときも手伝いやすい。一緒に暮らして長いが、そんなことに今更気づいた。
サイゼリヤに寄った。サイゼリヤは最近ジリジリと魅力を落としていると思うのだが、リニューアルしたボロネーゼのスパゲッティはおいしくなっていた。
子供がディズニーランドに行きたいと言うのだが、この暑さの中、幼児、妊婦、うつ病、高齢者で行くのは危険だと思った。ピューロランドならいい。混んでいるだろうけれど。
次の講座のために詩を書いている。今月はあまり出来がよくないと思っていたが、行を開けて連に分けただけで展開とリズムが少し整った感じがした。不思議なものである。
子供が2人になったら数で親を圧倒するかもしれないから、親はデカくなったり質量を増やしたりしなければならないという話を妻とした。
7月24日
晴れ。暑いが昨日より涼しいという説もある。日傘で通勤した。子供が寝起きから機嫌が悪く大声で泣いたが幼稚園に行くころには笑っていた。
大学病院から院内研修の動画を見ないと電子カルテのIDを停止すると言われてあまりに馬鹿馬鹿しくて笑ってしまった。動画自体は忘れていただけなので真面目に視聴した。内容は案外勉強になっておもしろかったりするのに、こういうやり方をすると自ら価値を下げている。
夕ご飯を作る準備をしていたが子供がドーナツ屋に行きたいと言うので行くことにした。やはり機嫌が悪く、私もつられて靴下や靴の履き方をサリヴァン先生ばりに「こう!」「こう!」と教えたりしてよくなかった。寝るときは幼稚園に行きたくないとぐずっていた。夏休み期間で丸一日預かり保育なので退屈だったり寂しかったりするのだろうと思った。
夜中に腹痛で目が覚めて下痢をした。
7月25日
運転免許証の更新に行った。昨夜通知のハガキを見直したらウェブ予約が必要と書いてあって、見てみたらもう午後2時の枠しかなかった。本来なら朝イチで済ませて本屋にでも行き、早めに子供のお迎えをしようと企んでいたのだがおじゃんになった。お役所の仕事なのにウェブ予約とかおしゃれなことをしなくてもよろしいと思うが。
遅れたらなんかすごい不利益を被りそうなにおいがしたのと、バスの時間が読めなかったので不安になって早めに家を出、スタスタと歩いた。ちょうど来た電車に乗り、スムーズに乗り換えをし、降りたらちょうどバスが来ていて、バス通りは空いていて、13時前には着いてしまった。炎天下、古いコンクリートの要塞のような建物、タイル張りの床、ギリギリ許せる冷房の中1時間待った。外国の人も多かった。外国の免許を持つ人用の手続きがあるのだと思う。我々は法律に基づいて手続きをし権利を得、公共空間を維持して暮らしている。その具体的な様相が目の前にあって、これは思いの外見ていて安心することだった。まだまだ社会というものはここに存在している。市役所や区役所だともっと嫌な感じがある。お客様精神で接客されようとする人が現れ、実際にお客様として接客される。社会をせえ、社会を。そう言いたくなる。とまれ免許センターは1時間いても飽きなかった。
写真撮影で右肩をもっと前に出すように言われた。前より太ってちょびひげが生えているのでメキシコのキオスクのおじさんみたいに撮れた。
講習で前の席に座った人の肩幅がすごく広かった。ボールを投げたり打ったりする競技や水泳などの上半身の膂力を使うスポーツに強そうだと思ったが、その後廊下で係のおばちゃんと談笑していて変わった人だと思った。
晴れてゴールド免許である。一度だけ田舎の初めての場所で前の車について左折したところが時間によって左折禁止になっていて、待ち構えていた警察に違反をとられた。その先に通学路があった。ずいぶん前のことだ。
思ったより早く終わり、かんかん照りの中バスと電車で帰り、駅では5分で蕎麦を食べ、子供の迎えに行った。教えた通りに丁寧に一生懸命靴を履いていた。健気である。もう妻の退勤時間が近かったので少し待ち、妻を乗せて帰った。夜は長谷川あかりさんのレシピで豚肉とキャベツの塩昆布豆乳煮にした。豚肉とキャベツを塩昆布と豆乳で煮る料理である。名前の通り。油を使わない。味は塩昆布と塩のみ。おいしかった。家で食べることのよさを感じた。子供は肉をべえっと出していたがキャベツは食べてくれた。