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不登校の子に必要なのは、現実逃避が出来る場所だと思う

「今度、宮崎からうちの家へ泊まりに来るのです」

ある日、東京に住むオンラインフリースクールの保護者さんから連絡をもらった。

宮崎に住む中学生が、飛行機に乗って、東京まで遊びに来るという。


オンラインフリースクールでの出会い

彼らは、オンラインフリースクールで出会った。DIscordというチャットツールで交流をして、一緒にゲームを楽しむ。

どんどん仲良くなっていき、「会いたい」となったようだ。

飛行機で東京へ来た少年は、渋谷の街へ中学生たちと繰り出した。ポケモンセンターへ行き、みんなでおそろいの帽子を買う。

きっと、学校の修学旅行以上の思い出になっただろう。

京都遠足(練り切り体験)


オンラインフリースクールを始めたキッカケ

フリースクールでの様子

不登校支援に関わって5年になる。僕たちD.Liveは、滋賀県や京都でフリースクールを運営している。

フリースクールを運営していてつくづく痛感する。


外へなかなか出られない。近くにフリースクールがない。電車に乗るのがしんどい。

インターネットを繋ぐのに苦労している人に、「詳しい方法はネットで見てください」と言うようなもの。

フリースクールへたどり着くまでの距離が遠い。
物理的にも、心理的にも。

コロナ渦で、オンラインが増えてきたことにより、「フリースクールもオンラインで出来ないか?」と思った。

去年、7月よりオンラインフリースクールを開講。
ほとんど募集もかけず、告知もしていない。

にもかかわらず、生徒は50名にもなった。


「ここは、自分の拠り所」「ここにいる人は、みんな優しい」と、子どもたちは言う。

僕たちは、このオンラインフリースクール TRY部 という場所を、「気持ち良く、前向きに現実逃避が出来る場所」にしたいと思っている。


不登校の子たちは、真面目だ。

完璧主義な子が多いし、「ちゃんとしよう」と思う。

学校へ行けない自分を責めることも多いだろう。

真面目な子ほど、1人の世界に閉じこもる。


引きこもっていたときの自分もそうだった。
誰にも頼らず、誰にも話せない。

ただ、自分の中にある闇に飲み込まれそうになる。

つらい、しんどい、さびしい、きつい。


そんなとき、必要になってくるのは、繋がりであり、楽しみだと思う。

誰かといれば、つらさも軽減される。分かってくれる人がいれば、気持ちはラクになる。笑うと心も前向きになれる。

人生は長い。

辛いこともたくさんある。


不登校は、子どもたちにとってとても大きな挫折だ。

怪我をすると、リハビリをして、少しずつ完治を目指すように、時間をかける必要がある。

しんどい現実を無理に見せる必要はない。「ガンバれ」という励ましもいらない。ただ、繋がりと楽しみがあればいい。

心理的安全性が次の一歩を踏み出すキッカケになる


人は、刺激があれば、勝手に変化していく。

外へ出られない子が遠足のために、出かけられるようになった。誰かと食事取ることができない子が、みんなとご飯を食べられるようになった。

バイトを始める子もいる。ずっと避けていた勉強をするようになった子もいる。


いつだって、子どもたちの変化は劇的だ。

フリースクールで勉強する子どもたち

でも、僕たちはなにもしていない。

ただ、「自分であっていいんだ」と思える場所を作ってるだけ。

怒られない。
みんな分かってくれる。
自分のことを理解しようとしてくれる。
自分の気持ちを理解してくれる。

心理的安全性があれば、子どもたちはのびのび自分のペースで過ごすことができる。


人生は、マラソン大会ではない

人生は、旅だ。

決して、コースの決められたマラソン大会ではない。

遅いも速いもない。遅れているとか、周りと比べる必要なんてない。

ブラジルに行く人がいれば、京都でのんびり鴨川の河川敷にいる人もいる。

なにが良い、なにが悪いでもない。

けれど、孤独だと旅もしんどくなることもある。(誰とも触れ合うことがない旅がつまらないように)


ここには、子どもたちの仲間がいる。一緒に手を繋ぎ、前へ進んでいける。


オンラインからリアルに繋げていく

浅草寺からスカイツリーの遠足


僕は、オンラインだけですべてを完結しようと思っていない。出来るだけオンラインからリアルに持っていこうと思っている。

だから、遠足を毎月のように企画している。


3月は、上野公園へ行った。4月は、京都。5月は名古屋。9月は北海道。

まだまだ、新しい企画を準備中!

リアルで会うことで繋がりは濃くなり、オンラインでのやりとりも活発になる。


生徒が増えるほど、行く場所は増える。

「あの子が住んでいるまちへ行きたい」なんて声も、最近よく聞く。

まったく知らない土地が、「あの子が住んでいるところ」になる。全国に友達が出来れば、地球はすごく小さく感じる。

狭い世界、自分だけの部屋にいるだけでは闇に飲み込まれる。

ネットでの繋がりが出来れば、それが一歩踏み出すきっかけになる。

江ノ島遠足

子どもたちが、リアルで初対面のとき。

最初は少しぎこちないけれど、すぐに打ち解け、旧友のように話す時間がある。

「この瞬間を作るために、俺はこの場所を作ったんだ」と思う。


これからのオンラインフリースクールでの活動が楽しみで仕方がない。

「いちばんいけないのはおなかがすいていることと、独りでいることだから・・・」

サマーウォーズ


入部説明会をおこないます!


04月09日 (土) 10:00 ~ 11:00(空きあり)
04月10日 (日) 10:00 ~ 11:00(若干空きあり)


入部説明会を実施します。説明会にご参加いただくと、無料でTRY部を体験していただくことが可能です。

ご希望が多い場合は、別日程でも説明会を開催します。

お問い合わせは、LINEまで!


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たくさんの方々に届くように、マニュアルや資料などをどんどん作っていきます。できるだけ無料で公開できたらいいなと思っているので、「役に立つ」「参考になった」と思ったら、投げ銭お願いいたします。