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不登校は、ランチェスター戦略で取り組む[父親の不登校戦略論 vol.4]


不登校に関して常々思っていることは、あまりにも戦略が少ないということ。

いや、「ないのでは?」 とすら思っています。

「親がまずは元気になりましょう」とか「子どもと笑顔で接しましょう」とか、分かるんですが、その先がないのです。

結局、そのあとの子どもが元気になるかどうか。学校へ行くのか。外へ出るのか。勉強をするのか。やりたいことを見つけるのか。

すべて、“なんとかなる”という、子ども任せな部分が多いのです。

そうなると、もう運任せのようになります。
「いつかきっと外へ出るようになります」みたいな。

それって、「いつか姫は目を覚まします」くらい不確定です。
我が子の成長が運任せにされるってのは、たまったものではありません。

だからこそ、僕は不登校には戦略が必要だと思っているのです。
戦略を立てることによって、確率が高まります。

運に左右されるのではなく、親御さんたちのチカラで子どもの成長を意図的にデザインすることができるのです。

今回は、その中でもランチェスター戦略について取り上げていきます。

ランチェスター戦略とは、元々は軍事戦略で、今ではビジネスやマーケティングでも使われる手法です。

詳しい内容については、こちらのページなどを参考にしていただければ。


ランチェスター戦略とは、弱者の戦略と言われています。

僕は、不登校の子というのは、弱者だと思っています。

ここでいう、強者や弱者というのは、単純に強いとか弱いではなく、資源の多さをいいます。

学校へ行っている子のほうが、資源が多いのです。

友達を作れる機会が多い。
勉強を学ぶ機会がある。
進路の相談をする人がいる。
勉強や進路の情報が手に入りやすい。

不登校とは、言うなればゲリラのようなもの。

森の中にたたずみ、戦況を伺う。
十分な情報も入らず、味方は少ない。
潤沢な食料も手に入らない。

そのような、リソース(資源)が少ない中で戦うためには、戦略が必要なのです。

必要なのは、自信と意欲


不登校の子にとって必要なのは、「やればできるという自信」と「やってみようと思える意欲」です。

この2つがないと、いくら励ましたとしても、なかなか動くことは少ないでしょう。

やればできるという自信は、自己効力感と言います。

自己効力感を高める一番の方法は、成功体験です。
「出来た!」という感覚ですね。

意欲を高める方法は、『期待価値理論』が使えるでしょう

『期待価値理論』

期待 × 価値 = モチベーション(意欲)

[期待] 自分ならできるという感覚。自分に期待できるか。
[価値]  やることに意義や価値を感じるか。

どれだけ価値を感じても、期待度が低いとやる気はでません。
どれだけ「出来る」と思っても、価値を感じないとやろうと思いません。

期待価値理論の「期待」とは、自己効力感とほぼ同じ意味です。

となれば、子どもにとって重要なのは、『自己効力感』と『価値』の2つです。


不登校の子にとって、「自信」というのは、とても限られた資源です。
砂漠では水が重要なように、成長には「自信」が欠かせません。

そのため、いかに効率的に「自信」というリソースを使っていくかがカギになります。


負ける戦いには挑まない

ランチェスター戦略を見る前に、前提として、不登校の子は、勝てる戦いのみに特化したほうが良いと僕は思っています。

「失敗」や「負ける」、「誰かに劣る」というのは、すべて自信という少ない資源を失うことになります。

大事なのは、

① 自信を減らさない戦略をとる
② 自信を増やす戦略をとる

この2つです。

自信を増やす戦略は、考えられることが多いですが、「自信を減らさない」戦略をとられることは少ないです。

自信を減らさないためにできることは?

とにかく、負けないことです。勝てる戦に特化して、負けそうな戦いには決して参加しないこと。

失敗する確率が高いことには挑戦しないことが重要です。

「失敗は成功の母である」と言いますが、自信がない子にとって、失敗は致命傷になりかねません。

そもそも失敗しそうなことに、チャレンジしようともなかなか思えないでしょう。

自信を減らさず、自信を増やす戦略。
それを満たしてくれるものこそ、ランチェスター戦略なのです。


ランチェスター戦略とは?

ランチェスター戦略には、大きく5つの戦略があります。

◇ 局地戦 ・・・ 戦うエリア(分野や地域)を限定する
◇ 接近戦 ・・・ 近いところからせめていく
◇ 一騎討ち戦 ・・・ 競合が少ないところで戦う
◇ 一点集中主義 選択と集中。1つのことに特化する。
◇ 陽動戦 ・・・ ゲリラ戦。思いもよらない方法を使う。

これがランチェスターの5大戦法です。

この5つをチェックリストのように使って、子どもの成長を考えていきましょう。

・戦うエリアは、どこか? もっと限定できないか?
・近いところから攻めているか?
・競合が少ない場所はどこか?
・なにに一点集中させるか?
・他の人たちが使っていない作戦はないか?

ランチェスター戦略を使った勉強戦略

たとえば、勉強で考えてみましょう。

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