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不登校の我が子の強みを見つける方法[父親の不登校戦略論 vol.3]

今回は、父親の不登校戦略論のvol.3です。

これまでの記事は、こちら。



「好きなことをして生きていく」と言っても、きっとあなたは「世の中、そんなに甘くない」と肌身で感じていることでしょう。

そうなのです。世の中、そんなに甘くはありません。

楽しく、好きなことを動画で発信したからと言ってスグに稼げるようにはなりません。いや、ずっと続けたところで、果たしてバイト代くらいすら稼げるか怪しいです。

「好きなことを仕事にしよう」「やりたいことをやろう」と、世間で言われることもありますが、そんな簡単なことではありません。

それでも、僕は不登校の子は特に、好きなことや得意なことで生きていったほうが良いと思っています。

不登校になる子は、こだわりが強かったり、完璧主義なところがあります。
人よりも繊細で、気を遣う。
(もちろん、誰もがみんなそのような性格ではありませんが)

つまり、他の人たちと比べて、凸凹が大きいのです。

僕たちは、つい出来ないことにとらわれてしまいます。

日本の教育は、どちらかというとフラットな子を育てるものです。

出来るだけ欠点をなくし、出来ないことを少なくする。
それが将来役に立つという発想ですね。

でも、欠点ばかりを見てしまうと、その子の良さに気がつきません。本人ですら、「自分には良いところなんて一つもない」と思ってしまいます。

欠点を修正するには、とても大きなコストがかかります。
時間もエネルギーもかかってしまうのです。

特に学校に行けず、不登校になってしまった子は、エネルギーが少ないです。自己嫌悪に陥り、自分のことがどんどんイヤになってしまいます。

子どもと関わる上で、どうしても「我が子」と考えてしまうと、感情が入ります。

「こんな甘い考えじゃダメだ」「このままでは社会で通用しない」と、危機感を募らせ、口酸っぱく言ってしまうこともあるでしょう。

でも、そうすると親子で共に疲弊してしまいます。

そこで、父親であるあなたには、ぜひご家庭において人事部長になっていただきたいのです。

子どもを“新入社員”と思って、見てみましょう。

新入社員に、「お前、このままじゃ社長にはなれないぞ!」と怒ることってないですよね?

出来ないで当たり前と思い、出来るようになるためにサポートをしてあげることでしょう。

ついつい我が子だと、「これくらいは出来て当たり前」と思ってしまいます。期待値が高い分、できないことに失望し、イライラしてしまうのです。

新入社員と同じように、子どもには大きな可能性があります。

けれど、一人だけではなにも出来ません。

仕事内容を覚えていない新入社員と同じように、まだ右も左も分からないのです。

だからこそ、あなたがお子さんの人事部長となり、子どもが成長するサポートをしていきましょう。

強みを活かす戦略をとる理由

ドラッカー先生が「強みを活かせ」と言っていますが、不登校の子にとって強みを活かすことは大きなメリットがあります。

特に僕は不登校の子は、徹底的に強みを活かす戦略をとっていくのが良いと思っています。ランチェスター戦略のように、勝てる部分に資源を投入して、その部分で徹底的に勝っていくのです。
(ランチェスター戦略の話は、また取り上げます)

強みを活かすという戦略をとる理由は、3つあります。

1. 欠点を修正するにはコストが高い
2. 子どものやる気が高まる
3. 困難を乗り越えやすい

1. 欠点を修正するにはコストが高い

さきほど書いたように、欠点を修正するのには労力がかかります。誰だって欠点と向き合うのはイヤなもの。

出来ないことを出来るようにするのは、とても大変なのです。こだわりが強い子だと、なかなか言うことを聞きません。いくら正論を述べたところで、「そうだね」と納得することは少ない。

山を動かすくらいのエネルギーが必要になってくるので、欠点をなおそうとするのは、無駄骨に終わることが多いのです。


2. 子どものやる気が高まる

「やれば出来る」という自己効力感を高める上で一番大切なのは、成功体験です。「出来た!」という経験が自信に繋がっていくのです。

出来たを作るためには、得意なことを伸ばすほうが圧倒的に早い。嫌いな数学を勉強するよりも、得意な英語に取り組んだほうが点数が伸びるように、好きなこと、得意なことのほうが結果が出やすいのです。


3. 困難を乗り越えやすい

子どもは感情の生き物です。ガマンできないし、気分に左右されます。イヤなことは、「やりたくない」と言って、スグにあきらめます。

でも、好きなことだとどうでしょう?
大人がびっくりするほどの集中力を発揮しますよね。英単語は覚えられないのに、ボケモンの名前はいくらでも覚えられます。暗記が嫌いでも、好きなことだったり苦も無く覚えられるのです。

好きなこと、得意なことであれば、少々イヤなことであっても乗り越えられます。「グラウンド100周しろ」と言われると誰でもイヤです。でも、プロ野球選手になるという目標があれば、ガンバって出来るでしょう。

好きなことや得意なこと。目標があれば、イヤなことであっても乗り越えることができます。はじめからイヤなことに取り組むなんて、大人でも難しい。ましてや、子どもには無理です。だからこそ、まずは得意なことや好きなこと、強みを活かすことから始めたほうが良いのです。

具体的な強みの見つけ方

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