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グランメゾン東京のジビエハンターと共通する理念
今話題のグランメゾン東京第3話で、尾花(料理人)と伝説のジビエハンターとの掛け合いで、こんなやりとりがありました。
生きとし生けるもの頂いた命を余すことなく美味しくいただく、そのために料理人がいるんだって。料理人として当たり前のことをしただけです。
ドラマの中のキャラとは全然違いますが、伝説のジビエハンターは片桐邦雄さんがモデルだと思われます。以前から片桐さんのことはネット記事や動画を通して知っていました。片桐さんの信念に、我々はとても影響を受けました。
伝説のハンター
片桐さんは、ご自身でお店を持たれており、料理に使う食材のほとんどは、片桐さんが自ら調達されます。春は天竜川に船を出し、アユ・ナマズ・ウナギを。秋冬は野山を巡り、シカやイノシシを捕えます。
片桐さんの信条は、生きたまま捕獲すること。鉄砲で殺傷するのではなく、手作りの罠を仕掛け、素手で生け捕ります。「自然の命を頂く限り、最も美味しい食材にしないと申し訳ない」という考えのもと、捕獲から解体、調理までの工程のすべてを自分でこなします。
けもの肉は命を絶たれた瞬間から酸化が始まり腐敗の道を辿ります。素早く血抜きをし、全ての部位を処理することで「余すことなく美味しく食すること」ができるのです。これこそが、獲物への最大の感謝だと片桐さんは信じます。
グランメゾン東京でのやりとりも多分に片桐さんの信条を反映していることが伺えます。
熟成の考え方
我々は、熟成とは素材を最大限に美味しく頂くための、ひとつの過程と考えています。熟成をすることで、本来持っていなかった、肉の柔らかさや、旨味だったりを、最大限引き伸ばしてあげらる。世の中の評価を一変させることのできる、まるで魔法のような魅力的な力を持っていると考えています。
当然ながら、熟成が進むことで、外側のカビが生えた部分を取り除いたりする必要が出てきます。″余すことなく美味しく頂く“という点に関して、一見、矛盾するように見えますが、熟成技術の向上により、トリミング部分を少なくできると考えていますし、それが結果的に、余すことなく美味しく頂くことに貢献できることに繋がります。
そして、我々は、料理人でも生産者でもありません。料理人でも生産者でもない我々が、食を軸とする領域で活動しているときに、熟成という手法に出会いました。微生物の世界は複雑でまだまだ解明されていないことが、たくさんありますが、食材と微生物に関わる人間のスタンスとして、熟成過程は食材を余すことなく、最大限美味しく頂くために存在すると信じています。
世の中でまだまだ知られていない、日の目を浴びていない食材を、熟成することにより、シンデレラのように美しく輝ける食材にするため、我々は、日々研究し続けます。
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