赤き神の再来

雷鳴!
さっきまで晴れていた
 
この地に顕現する
赤い稲妻が走り
贄となる千年の樹は燃え上がる
 
赤い炎が樹にまとわりつくように広がり
枝は堕ち
赤いひとつの柱となる
 
この地の生命にとって千年は長い
 
我が友が顕現する
 
赤き神として
この地に1万年
歴史の影となり
 
人が今の形になった後は食の神として
この土地を治めた時よりは笑いの神として
 
目前の炎柱は落雷とともにより強く燃え上がる
 
やがて、その炎は美しき肢体を現す
長い髪は炎から黒い漆黒へ
髪を振り上げるその姿は妖艶
 
瞳には赤い炎が燃えている
 
愛を見通す瞳
 
誰もその瞳の前には、偽りの愛を語れない
 
友との再会
今、ここに二柱が並び立つ
 
「この時に何をして遊んでやろうか」
 二人の女として姿を変え
 ともに歩み始める
 
カプサイ神伝 MADOCAの顕現 BUNKOの手記より

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