v.540

8月ですね。

どこかでWBの仕組みに対する疑問?みたいなポストを見かけたので
WBの仕組みをチロっと。

結論としては、WBはセンサーの各色出力のバランスによってコントロールされます。

ベイヤーセンサーではRGGB、もしくはRGBGのカラーフィルタ配列で、4画素を1グループとして画像を生成します。
このあたりの詳しい説明は面倒なので、デモザイク処理とかで検索して調べてみてください。

WBは、どの出力にどんなゲインを掛けて最終的な出力にするか?ってことをやって色味のコントロールをやっています。
例えば、R→1.01倍 / G→0.6倍 / B→0.97倍みたいな感じね。これによって、画像データの1画素がどの色や明るさとして出力されるか?を調整します。
音楽のミキシングとかアンプとか、入力と出力とかの概念を何となく理解していれば、「アレね」と想像できるハズ。やってることは同じ。
入力に対して全体的にゲインを上げ下げするのがISO感度で、画素毎のゲインを調整するのがWBって感じです。
オカチメンコなWBをぶち当てたり、奇抜な光の成分で撮影すると絵が汚くなることがあるけれど、光に足りてない成分をWBでどうにかしようとすると、当然画質への影響はあります。


通常のWBでは画面全体に一律でドカンとゲインを設定しますが、カメラによってはマルチエリアWBみたいな感じで、画面内をいくつかのエリアに分けて、それぞれの領域に対してWBを行うことがあります。
話が複雑になるのは、画像データにはマルチエリアでのWB情報が残らないこと(2021年に聞いた時はどこも残らなかった気がします)。

何が起こるか?というと、カメラ内部でマルチエリアWB的な処理をしている場合、AWBとプリセットWBで仕上がりが変わる場合があります、というか変わります。
いわゆる撮って出しJPEGと、PCなどでRAW現像したもので仕上がりが違うということが、WBに話を限定しても起こるワケで。
さらに、撮影時のカメラJPEGにしか適用されないWB処理があると、カメラ内RAW現像であっても撮って出しJPEGの色味を再現出来ない事があるので、「AWBで撮る」ってのが再現性を語る上で非常に重要となるシーンがあります。
カメラの絵作りでは、WB制御と綿密なやりとりをしている場合もあるから、そのカメラの絵作りが気に入っている場合はなおさらAWBがオススメ。
具体的にはスキントーン(最近は「肌色」って表現に敏感な事があるので、スキントーンとしています。多様性が尊ばれているけれども、日本の文化への理解や尊重も同じ熱量でやってくれよな、って思うよ)とか、夕焼けとか、AWBでのカメラJPEGじゃないと出せない色(RAW現像でも出来るけど、シンドイの意)があったりします。
AWBが気に入らなければ、現像で適当なWBにしてやれば良いだけだしね。

どうでも良い話ですが、人間の視覚認知がやっているのはマルチエリアWBという話。さらに厳密に言えば左右の眼でも色の感じ方は違いますが、頭が「こんなもんだろ」って勝手に調整しちゃうので、実生活では意識するシーンは無いかと思います。


仕組みを知れば、撮影時や現像時の引き出しの数を増やせるので、知っておくと便利かな?とは思うけれども、難しいことを考えず、その時の雰囲気とか気分のままに撮ることもとても大事だとも思っています。
好ましいのは、仕組みを自分なりに理解したうえで、余計なことを考えずに行動できることかな。

最後に宣伝。

発売されますた。
イチオシは、P64〜のトヨ魂リターンズです。自分の名を冠したページなのでね。
のんびりコシナVol.1で紹介しているプラナーで撮った写真をいくつか。

LUMIX S5 + ZEISS Planar T* 50mm F2.0
(正しい製品表記は T*2/50 ね)
開放で撮ったハズ
最高にプラナーな再現だと思った1枚
LUMIX S5 + ZEISS Planar T* 50mm F2.0
f/2.8だったと思ふ
こっちもプラナーだなって思いました
学生の時に味わったプラナーの感動(?)みたいなのが
ブワッと蘇ってきて
切なくなるっつーか
なんとも形容し難い気持ちになりました
ノスタルジーってやつかな??
LUMIX S5 + ZEISS Planar T* 50mm F2.0
f/4.0に絞った記憶あり
バカ切れでキモティー!!
20年近く前のレンズやで・・・
LUMIX S5 + ZEISS Planar T* 50mm F2.0
f/2.8
掲載カット
何撮ってもキモチイイんだよねぇ

絞りと距離、露出のやり方や光の使い方で緩急自在というか、いろんな表情を見せてくれて、しかも素直なので楽しかった。
ってのが、4月4日と10日、5月9日に本レンズで撮影した思い出。

リターンズ#11発売に向けて、その気持ちに偽りが無いか?を改めて確認するために、7月23日にCOLOR-SKOPAR50mmF2.2と共にプラナーを再び味わって来ました。
したら、難しいのなんのって・・・

LUMIX S5 + ZEISS Planar T* 50mm F2.0
f/2.8
なんつーか、決まらない
LUMIX S5 + ZEISS Planar T* 50mm F2.0
f/2.8
どこか視線が定まらないって言えば良いのかなぁ
LUMIX S5 + ZEISS Planar T* 50mm F2.0
f/2.0
お蕎麦屋さんの近く、でピンと来る人も居るでしょう
LUMIX S5 + ZEISS Planar T* 50mm F2.0
f/2.0
最近のレンズと比べれば、気持ちクセがあるよね

この日はCOLOR-SKOPAR50mmF2.2で600ショット。楽しくて楽しく夢中で撮りました。そんなコンディションの良い状態でプラナーにスイッチしたのだけど、この日はちっともハマらず。
なんとか120ショットしたところでギブアップしました。

こういう経験をすると、同じ焦点距離のレンズを増やしてしまう気持ちがとてもよく分かります。
という事を知人に愚痴ってみたところ「35mmと50mmは何本あっても困らないよ」と。
啓蒙が過ぎるよ・・・


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