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TRPG雑談/11 理想・正義・自由・忠義・革新・妄執(後)

おはようございます。
最近はタクティカルな祓魔師だったりクラシカルな呪術師だったりします。
先日は初めてカクヨムにユーザー登録しました。
よかったら読んでいってね。

このnoteの投稿日からだいたいいくつnoteをストックしているのかバレそうだ。
実は余裕があるときは片付けや引越しの準備の合間に増やしたりしている。
意外と文章を書く隙はいくらでもあるものである。なんなら外出中の待ち時間とかはnoteくらいしかやることがない。

そういうわけで前回に引き続き仇敵の話。
どうせ長くなるんだし文章を盛らなくても大丈夫だな!

比良坂機関

比良坂機関に宛てた二文字は忠義である。
彼らは国家のために働き、国家に害をなすものを排除するエージェントたちだ。
国に害をなすのなら親でも子供でも抹殺する血も涙もない集団……と思われがちだが正直日本の未来を担う子供たちを殺すのはあんまり好きではない。
国益的には判断しづらいところである。

比良坂機関は隠忍の血統から憎まれている。
これは至極当然の摂理で、隠忍の血統とは代々日本で「いないことにされ続けた」あるいは「穢れとして忌み嫌われた」、言わば政治の陰に隠れた被害者たちである。
その被害者たちが古くから政治を取り仕切ってきた比良坂機関を憎むのは訳ない話である。
しかし比良坂機関としてもどうにもできない話である。彼らの主張としては「存在を公的に認めてしまうと征伐しなきゃならないから自分たちに出来るのは存在を認めないことだけ。なのになんでアイツらはあんなに目立とうとするんだ?」だろう。
お前らのために揉み消してるのに不都合な事実を揉み消したとかワーキャー言いやがってマジで。こっちの気持ちになってみろよ隠忍の血統。

そしてその比良坂機関が目の敵にしているのが私立御斎学園である。
……いや外患誘致!!いつ日本に攻撃しかけてくるから分かんないのヤバすぎ。
正直ほかの流派に比べて比良坂が守ってるのが国であるせいでリスクだけ見るなら順当に一番ヤバイのが私立御斎学園になってしまう。
意外ですね。
要するに欧米諸国と繋がりを持っていて、「比良坂の手中にない」忍者組織は存在そのものが危険物なのだ。
つまり比良坂側の主張としては「そういうことを明確に国に属してない組織がやったらいつでも外患誘致できちゃうじゃん!そういうのはもうちょっとウチのお膝元でやってくれよ!」という切実な意見に他ならない。
それに対し友好的な姿勢を見せない私立御斎学園。実際に外患誘致を企んでなくてもこっち側からしてみればやましい事があると勘繰るのも当然である。

私立御斎学園

私立御斎学園は欧州へ渡った忍者によって作られた忍者のための学校だ。
スパイ養成機関ともされ、私立多羅尾女学院もマクファーデンも同じくスパイ養成機関らしい。
とすれば上記の通り比良坂機関から目をつけられていても仕方ない気がする。
今回私立御斎学園には革新の二文字を宛てた。
私立御斎学園は次の時代を担っていくのは若い忍者であると考えている。そのため、いつまでも老兵が戦場に居座っているべきではない、我々は教え導く側に回るべきなのだとしている。
また、ハグレモノや隠忍の血統への態度から見るに、十分な教育機会を与えることも次の忍者の世のために大事であると考えていると考えられる。
公式シナリオなどで「忍者の存在を世間に公表する」ことを目的に暗躍している様子が見られるのはこの辺りが理由だろう。

上記の通り、比良坂機関からは目をつけられている。
しかしこちらとしても比良坂機関には不満がある。
いつまでも国の上層部などという老人が第一の世界であっていいわけがないのだ。いずれは若者が世界を担っていくのであり、いつまでも権益にしがみついている上層部とそれに従う比良坂機関の忍者たちは愚かで醜いものに見える。
彼らの主張は「これからの日本を担っていくのは若者たちなのだから、いつまでも旧態依然としたお役所の下になどついてたまるか」といったところだろう。

私立御斎学園からの仇敵はハグレモノになる。
これは複合的な理由があるが、そのひとつは忍法をひた隠しにするところだろう。これは比良坂機関にも同じことが言える。
そしてもうひとつはハグレモノの元に生まれた忍者に十分な教育の機会を与えるべきだというところ。さらにあげるならば革新のためにはただ自由に振舞っているだけではダメだということである。
ハグレモノのいい忍者が目立っているから分かりにくいが、ハグレモノの悪忍を想像してみよう。
失うものがないから好き勝手に破滅や災厄をばら撒き、自分だけ満足して去っていく。
求めているのは自由ただひとつであるが故に交渉にも応じず、人によってはプライドという鎖すら投げ捨ててしまえる。
自由とは言い換えればすなわち秩序の正反対――混沌であり、一匹狼とはすなわち利他の正反対――利己である。
それはつまり、社会通念上、真にハグレモノの理念をアライメントで表すと混沌・悪に属することになるのだ。
故に革新を求めて協力を持ちかけることはあってもハグレモノと私立御斎学園では相容れることはない。私立御斎学園にとってのハグレモノは頼朝にとっての義経なのだ。
シノビガミプレイヤーのみんなはハグレモノのことを文字通り判官贔屓しすぎているかもしれない。

隠忍の血統

隠忍の血統に宛てる二文字は迷ったが妄執だろう。
恩讐や復讐と迷ったが、やはり妄執だ。
隠忍の血統は長い歴史を持つ流派だ。過去に虐げられた経験から、復讐のために執念深く地に根を張り準備してきた。
だが、怒りにしろ哀しみにしろ、感情を維持し続けるには才能がいる。
隠忍の血統の中には確かに被害者だった頃の感情を覚えている者もいるだろう。しかしそれが全てではない。大多数の者は既にその頃の恨みを忘れていたり、失伝していたりしている。組織としては復讐のために動いているが、中身は行き場のない衝動ばかりで埋め尽くされた怪物の跋扈する組織だ。
中には被害者であることを強く意識するが故に事実がねじ曲がって伝わり、大袈裟な、隠忍の歴史が伝えられていたりもするのだろう。既になんのバイアスもない原初の隠忍の血統は淘汰されきってしまったのかもしれない。
だとしたら悲しい話である。

隠忍の血統を敵視する鞍馬神流とは長い付き合いだ。ある種自分たちは最初に復讐する相手を間違えた。真の支配者であった比良坂機関ではなく、隠忍いじめに加担していた民たちを襲ったのだ。
その結果、「隠忍に襲われた」という過去を持つものが生まれた。彼らを守るために隠忍を裏切って発足したのが最初の鞍馬神流、京八流なのだ。
だから隠忍の血統にとって鞍馬神流はある種、間違いによって生まれたもの……あるいは暴走する隠忍の血統の感情の象徴である。
故に彼らは「正義の名のもとに我々を殺戮する者よりも、耐えがたきを耐え忍びがたきを忍んでいる我々の方が賞賛を浴びるに相応しい」と主張するのだろうか。否、主張しないのであろう。
彼らは賊軍であって官軍ではない。このような主張はいずれ勝利する時まで秘めておいた方が良いのだから。

隠忍の血統は比良坂機関を憎んでいる……とされている。
比良坂機関は諸悪の根源……と言いたいところだが、そうも単純な話ではない。
比良坂機関は村八分を実行したという訳では無い。そもそも比良坂機関に害意があるのなら隠忍の血統は完全に滅ぼすべきだからだ。
だから隠忍の血統は比良坂機関の良心あるまともな忍者たちは自分たちに対していくらかの罪悪感を抱いていることも分かっている。
比良坂機関の目的は国益であって、国民を徒に傷つけることでは無いからだ。
しかし、それで隠忍の血統の現在の立場が変わるわけではない。隠忍の血統がこれまでの雪辱を晴らすには、自分たちが返り咲くには、比良坂機関を負かして政治基盤を覆さなければならないのだ。
彼らは比良坂機関に対して主張などしない。
「比良坂機関は隠忍の血統が打倒すべき相手であり、唯一の目標」なのである。

あとがき

とまぁ妄想多めにはなってしまったがこれが僕の考える対立構造のリアルである。
勿論前回語ったようにこれは組織同士の対立の話であって個人の話ではない。
なんなら組織であっても手を取り合うことはある。

比良坂機関と私立御斎学園はともにこの国の未来を思っているのだし、比良坂機関と隠忍の血統はともに自らの重ねてきた歴史によって苦しんでいる。

彼らはこれからも手を取り合い、時には対立して戦うことになるだろう。
未来を切り開くのは君のPCかもしれないし、それによって忍者たちの世界が大きく変わるかもしれない。
個人の力には限界があり、何も変えられないかもしれない。
過去は変わらないが未来は変わっていく。

後悔のないように生きていきたい。
今回はここまで。

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