同期の休日の1日店長に男1人で参加した話

新宿、歌舞伎町。僕の友人がホストとして働いていた時にちょくちょく来ていた以来だった。最寄駅から埼京線で一本、僕は日曜日の昼間に早すぎる時間で到着していた。

緊張のせいかお腹が痛くなり、ゴジラがいる映画館の男子トイレに駆け込んだ。ふと自分の身なりに気がつく。白シャツに紺のスラックス、グレーのパーカー。やばい、何の考えもなしに着てきたけど、これ高校生みたいな恰好では。

お店の前はファンであろう女性たちが集まってお話をしていた。恐れ多くて僕は70mくらい離れた路地で震えていた。学生時代は男子が9割の学校だったため、女性耐性が皆無であるから。友人も誘っていたのだが、直前になって体調が悪くなってしまい、僕1人で参加することになったのだ。

ゆらくんが外にいて、どうぞどうぞと言われるままに店内へ。ゆらくん、画面越しよりも男前っすね、可愛いっすね。

受付にいたのは僕の推し、長峯くんだった。顔小さいっすね、細いっすね、背高いっすね、お目目ぱっちりっすね、マジ。

「おー!ゆうとくんか!」
「!?」

名前も言っていないのに認識された?そうか、男が珍しいからか、いや待って、待って、男、もしかして、俺だけ?推しに、名前を呼ばれただと?死んでもいいか?俺の命日、今日か?

席に着いたらじんくんに「男の子だー!1日店長で初めての男だよー!嬉しいー!」とグータッチしてもらった。見渡せば女性ばかり、しかも若い人々、相席になった目の前の人も隣の人も女性。

あかん、コミュ障には刺激が強すぎる。お腹痛い。

長峯くんが最初に席に着いてくれて、色々と話しかけてくれた。よく分からないままオレンジジュースを頼んだ。メッセージカードがついてくるっていうから。日曜日の昼間から酒を飲むのはちょっと憚られた。酔っぱらって推しと見ず知らずの女性に醜態を晒すわけにはいかない。

「いくつ?」
「26ですね」
「結構いってんね!?」

絶対この格好のせいですよね、本当にごめんなさいね。身長も低くて童顔気味なので確実に若く見られたと思いますがええ、それいちの方々と同学年なんですよね。

その後、無事に着けていた指輪を見て既婚者だというのも話して、僕が長峯くんを推しているということも、伝えることができてしまった。

「え、男から一番嫌われるタイプやのに!?」

いやまあ、確かに。男として惚れるのは小林くんだけど。頭が切れて喋りが上手くて話題をリードしていく年上の小林くんに臆することなく、相方として面白い言葉をぶつけていく長峯くん、そんなあなたがかっこいいんですよ。あと顔も好きです。

次に席に着いたのはゆらくんだったと思う。部活の話になって、僕がロボットを作っていたと言ったら、面白かった。

「アメリカのあの、ぶつかるやつ!?ガシャーンって!」

擬音語多くて笑った。BattleBotsってやつ。こんな感じです。

ゆらくんは話を聞くのが上手だな、と思った。こちらの話すスピードに合わせて頷いたり、話を展開させる相槌を打ったり、リアクションが自然だった。本人に聞くの忘れたけど、彼がいつも首元にイヤホンを着けているのは何でだろう。

次に来たのは、小林くんだった。

圧倒的強者。めちゃくちゃ声が通るから聞き取りやすい、そして話が上手い、面白い。この人は相手の心をきちんと掴むテクニックがあるんだ、と思った。ライオンロックのラジオを全部聞いたと言ったら、めちゃくちゃ喜んでくれた。ライオンロックのラジオ、普通に笑えるので好き。

ラジオでは小林くんの結婚式を担当したウエディングプランナーのアラカワさんが出てくるのだが、僕が結婚していることを聞いた小林くんは、ひたすら結婚式に金がかかるということを教えてくれた。小林くんは僕よりも年上で結婚して子どももいるからか、同性の人生の先輩みたいで話せたことが嬉しかった。

チェキとメッセージカードは長峯くんだけで良いと思ってたけど、このトークで僕は小林くんに落ちた。チェキもメッセージカードももらった。

最後はじんくんが来た。くるくるふわふわパーマが似合う。くしゃっと笑ったときの顔が癒し系、今時の若者って感じがした。僕がマッチングアプリを使っていたと言ったら、じんくんもマッチングアプリの話をしてくれた。色々頑張ったけど、彼女はできずに女友達が11人できただけだった、と笑っていた。あとパチンコが好きだというのもよく伝わった。

良い人どまりだったのか。めちゃくちゃ女遊びしてそうなイメージだったけど、もしや奥手?マッチングアプリをするまで、もしかして童貞だったんですか?そんなイケてる顔してるのに?トークも面白いのに?という僕の疑問は今でもずっと漂ってる。いつか僕もパチンコ連れてってくれます?

一通り終わって、チェキ会に。ライオンロックのコンビで撮りたかったけどそれはできないとのことで、長峯くんと小林くんにそれぞれ撮ってもらった。空き時間にスタッフとして働いていた、たいせいくんと喋った。色白くてまつ毛が長くてびっくりした。勢いでチェキを撮ってもらった。たいせいくんのマジック、最高だった。ずっと気になっていた阿賀くん(ちゃん)ともお話できて、ただの髪が長い男性だということを知った。性自認が女性とかそういう感じではなかったのか、男性として扱ってよかったのか、と認識した。

「お互い頑張りましょうね!」

彼らにちゃんと言えた。同世代の男として、それくらいしか言えなかったけど。辛いことも悲しいこともしんどいこともたくさんあるかもしれないけど、きっと良いことあるから。

「ほんまに来てくれてありがとう、男1人で来にくかったやろうに」
「いっぱい俺らのこと知ってくれて嬉しかった」
「土日に仁王立ちができるように頑張るから」

最後に小林くんが話しかけてくれた。来てよかったと思った。ここ最近で一番緊張したけど、他のファンの方々にもお会いできて、お話できて、嬉しかった。

帰宅後、僕は同期の休日用のTwitterアカウントを作ったのだった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?