モータースLIVE!に参戦した話

最後に下北沢に降り立ったのは何年前だろう、と思ったが妻と謎解きをするために2年前に来ていたことを思い出した。渋谷から1駅の下北沢、駅から徒歩数分が今回の劇場。勢い余って劇場の前を通り過ぎて、戻ってその存在に気づいた。あまりにもこじんまりとしている。

開場して数分だったが、すでに人はパンパンだった。見渡して気付くのは、男性客の多さ。僕が推している芸人、ライオンロックのファンは女性率が圧倒的であり、単独でライブに参戦する男性は見かけたことがないのだが、今回は全然普通にいた。何なら隣に座った人も単独で来ていた男性だった。え、こんなに差があるの?

チケット代を払うと、演者の名前が書かれた紙とペンが配られる。このライブは、シンプルにいうと面白かったやつが優勝するライブである。モータースライブにも色々あるようで、僕が参戦した今回はSというトップクラスの種類であった。

演者の名前が一覧として書かれており、その横のスペースに感想を書くらしい。もう一枚明らかに裏紙の用紙には、面白かった演者5組を書いて投票する。これがまあ、難しい。まず書く時間が限られている。おまけに終始劇場は暗くて見えないし、僕が渡されたペンは掠れ気味。ネタを見て覚えているうちに感想を書きたいのに書けず、結局誰が何が面白かったんだっけ、という現象に陥った。

知っている芸人、知らない芸人が続々と登場し、4分程度のネタが続いていく。僕の目当ては推しのライオンロック、それから気になっていた群青団地と青色1号、コリアンチョップスクワッドである。

ライオンロックは僕の中で圧倒的に面白かったのだが、他の芸人に負けていた気がした。僕の知っているネタを披露していたのだが、何というか違ったのだ、ウケ方が。観客にいる全てがライオンロックのファンではない、その状況は今までとまるで違ったネタをしたかのように見えた。芸人が同じネタをやっても、観客が笑いを変えるのだと知った。

群青団地は2人とも華奢で色白で若くてイケメン、女性ファンが多そうだなという印象であった。青色1号はテレビのネタより生で見た方が面白かった、これはコントの方がより強く感じる。コリアンチョップスクワッドは、展開が分かっているのに面白いって不思議だなと思った。彼らが売れたら世界平和に繋がると思う、知らんけど。

正直なところ、僕はサツマカワRPGが苦手であった。以前のモータースライブの配信で声が聞き取りにくく、何を言っているか分からない、ということがあったからである。生で見て度肝を抜かれたのは、そのスピード感だった。次々とネタが繰り広げられ、何かよく分からんけど面白い、でも最後の女子大のネタは本当に意味が分からなかった、でも面白くてちょっと好きになった。

ムラタケの音楽ネタは涙出るほど笑ったし、ハマノとヘンミのオチも笑ったし、あと何か色々と面白かった人はいたのだけど覚えてない。アラサーのおじさんには覚えきれない。

ライロクに「差し入れできたらいいなー」と思って買っておいたタバコとアマギフ、劇場で差し入れを預ける感じではなかったので無駄になっちゃうかなと思ったが、終演後に劇場の外でわらわらと人がいて気付く、おそらくこれは出待ち。ならば、渡せそうではないか。

しばらくすると演者がぞろぞろと出てくる、がしかし下北沢を歩く人々は一般人でも芸能人っぽいのでもう誰がなんだか分からない区別がつかない。しかもみんな舞台の衣装じゃなくて着替えているから余計に。僕は冷や汗をかいた、これ無理では。

僕は頭をフル回転させた。統計的にライロクの中でも推し、長峯くんは紺色を着がちである。そして紺色がよく似合う、多分彼はブルベ。大体は紺色のトップスに黒の細めのボトムスだ。おそらく今回もそんな感じだろうと見当をつけて見守る、当たった。いた。

そして僕は数少ない男性ファンとして認知されている、そう、顔を見て気づいてもらえたのだ。

差し入れのタバコを渡し、ついでにカバンに入れっぱなしだったマジックペンで、スマホケースに挟んでいたチェキに、ちゃっかりサインを書いてもらう。長峯くんと話していると小林くんも後から来てくれて、サインも書いてくれて、差し入れのアマギフも渡した。小林くん舞台から降りると眼鏡かけるの本当に素敵だと思う。ていうか2人ともそのビジュけしからんな。

ライロク2人でひたすら漫才のことを語ってもらった。めちゃくちゃ面白くて僕の質問にも答えてくれた。いやマジでカッコよかった。何がすごいって、2人とも言語化が上手。何でそうなるのか、どうしてこういうのか、理由を含めて作られたネタのことを話す2人は本当にカッコよくて、過言かもしれないが僕が憧れるヒーローのような人たちだった。好きです、応援してます。

今日のライブにいた全ての芸人さんが売れてほしい、もしもテレビで見る機会があったら、僕は妻に「俺この人たち生で見たことあるねんでー!」とたくさん自慢したいと思う。

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