同期の休日のクラファンのリターンが届いた話

同期の休日、それはライオンロックとそれもまた一興という2組のお笑いコンビから成り立つユニットである。

春頃に告知されて開始したこのクラウドファンディングに、僕は「行けないけど応援コース(松)」で支援をした。手紙の希望メンバーはもちろん我が推し、長峯くんである。

そして初夏が差し迫るどころか訪れちゃったこの頃、リターン品が我が家に届いた。平日真っ昼間に受け取れるはずもなく、19時からの時間帯で再配達を申し込む。定時ギリギリどころかフライングで帰宅した僕に、19時ぴったりでピンポンする配達員、ちょっと待たんかいこら。

赤色のレターパックを開けて目に入ってきたのは、サイン色紙だった。そこに書かれていた宛名が僕の本名の漢字だった。僕の本名の読みはそのまま「ゆうと」なのだが、きちんと「漢字+くんへ」となっていたのである。サプライズに驚きつつ、同封されていたTシャツを見てニヤニヤしつつ、本命の手紙に手を伸ばした。

水色で縁取られた封筒に書かれている字はおそらく長峯くんの物だろう。僕はそこで手を止めた。僕の漢字が間違っているのである。部首の一部が欠けており、存在しない漢字になっていた。TwitterのTLで、長峯くんの手紙は誤字が多いと噂されていたので、裏切らない彼の姿勢に笑った。

「漢字+君へ」で始まる手紙は、長峯くんの角ばった字で埋め尽くされていた。「今すごく忙しいけどすごく幸せなんだ」。その想いが、文から溢れ出てくるようだった。おそらくかなりの人数がいたであろう支援者達に、何枚も手書きで手紙を書くのは相当な仕事であっただろう。しかも他の仕事もこなしながらネタも考えてSNSも更新して、どれだけの忙しさだったのか、僕には皆目見当がつかない。だけど、それはすごく彼にとっても、他の3人にとっても幸せなことだった、確かにそう言い切る自信が見えたような気がした。

かくいう僕も仕事だの家庭だので忙殺されて体調を崩したりなんだりしていて、前回の仁王立ちの時には「あんまり笑えない」状況になっていた。そこで学んだのは、「僕が推しのネタを見て笑えなくなったら、それは病院に行かないとまずいんだな」ということである。もちろん、僕にもネタの好みはあるけれど、そもそもお笑いを見る時にはそれなりの心の柔軟性がないといけないんだ、と知った。いつでも笑えるような心じゃないと、せっかく彼らが作ってくれたネタを楽しむことができない。笑いに行ってるのに笑わないなんてダサいし、舞台の上で観客を笑顔にさせようとする彼らに失礼だし、何より僕は彼らのネタで笑いたい。

「やっぱ、顔も良いし面白いし、推しが最強なんだよな」
そう言いながら、酒を煽って笑顔になりたいじゃないか。

芸人という職業を全うする彼らへのリスペクトも込めて、僕はとりあえず飽きるまで応援し続けるんだと思う。だってさ、俺とあんまり年の変わらない男たちが、誰かを笑顔にさせたいと思って頑張ってるんだよ。TikTokerだって冗談めいて言うけどさ、違うの、芸人なの。かっこいいじゃん、かっこいいんだよ、そんですげー面白くて、この時代に生まれて良かったって思うんだ。

これからテレビの露出も増えてくるのだろう。すぐに手が届かなくなってしまうかもしれない。僕のことなんてすぐに忘れられるとも思う。いつか訪れるその日まで、陰ながら応援させてほしい。次にライオンロックが上陸する頃には彼らには今より何倍も何十倍もファンがついているんだろうな。俺も頑張るよ、しがないエンジニアとして、だけど同世代の男性として、かっこいい人目指すよ。

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