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#29 世界遺産検定の勉強法(8)

(承前)

■プロットを作る前に

マイスター試験の過去問の講評を読むと、「全体のプロットを作る」必要があると頻繁に書かれています
プロットは、論文を執筆するにあたっての「あらすじ」や「構成案」といったもので、書き始める前にそのような設計図を想定したということは大切だと思います

しかし、プロットを作る前にもっと重要なことがあります
論文の主題もしくは結論をあらかじめ決めておくということです

何をそんな当然のことを、という方もいらっしゃると思いますが、意外とこれが分かりづらい回答って多いように思います
さらに、1,200字の論文を書き進めているうちに制限の字数に到達してしまい、この部分を省略してしまうというケースも多いようです

先に書いたように論文は自分の考えを訴え説明するための文章ですから、論文としての主題や結論を書ききれない文章では不完全なのものとなってしまいます
いくら本論の展開として、客観的な数値を参照したり、根拠となる事例を紹介したとしても、結論部分が述べられていなければ、結局何が言いたい文章だったのかは伝わりませんよね
せっかく中途での論理展開が素晴らしいものであっても画竜点睛を欠く形では結果として読み手(採点者)に良い印象を残すことはできません

一般的な論文を書く場合ではこのいきなり結論ありきで取り組むというのはあまりいい方法ではないと思うのですが、マイスター試験の問3では問題なくこのやり方が可能です
必ず設問において何を書くべきかの「問」があるからです

例えば、2022年7月の問題を例にとりますと、「ユネスコの平和理念を踏まえ、平時だけでなく戦時においても文化財や自然環境の保護がどのような意味を持ち得るのか、具体的な遺産の例を取り上げながら、1,200字以内で論じなさい。」と問われています

この場合の結論はなんでしょう
「私は、~~~と考えられることから、戦時においても文化財や自然環境の保護はユネスコの目的である平和の達成に貢献しうるという点で大きな意味を持つと考える」といった感じの結論に持っていけると、設問にて問われた内容に沿った形になるのかなと思います

この「~~~」の部分を本論として根拠や事例、他の世界遺産等を示しながら構成していくことになります

(続きます)

こちらにて講師を務める予定ですので、興味を持っていただけたらご参加ください

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