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海外外国人材の動きをリード

先週、インドネシア現地面接会を行い、約50名の内定者を決めていただきました。


最近、このような先駆的で積極的な法人とのご縁が進んでいて、弊社も私も大変、感謝をしています。

数年で数百人や数千人の受け入れ計画をする企業も出てきています。



日本全体でも2022年末時点で、在留外国人が307万人と過去最多を更新し、3年ぶりに前年を上回りました。
入管庁の有識者会議では、外国人支援コーディネーター(仮称)を認証する制度を発足させて、外国人の生活を総合的に支援する方向性が出ていますが、外国人との共生社会の実現へ向けて、国も民間も動き始めていることを実感しています。

ただ、積極的に外国人を受け入れているのは、今はまだ先駆的な法人に限定されている印象もあります。今後、日本の生産年齢人口が激減していくので、今のうちに手を打とうとする法人が走り出し始めた初期段階だとも言えます。

ちなみに、アジア諸国から、国際労働移動する人数は590万人/年いますが、そのうち、先進国への国際移住は230万人、日本への移住は約50万人で、O E C D諸国では、日本が最大となっています。つまり、アジアから先進国への国際移住において日本は最大の受け入れ国なのです。
(先進国以外では、中東が最大の受け入れ地域です)

昨今、日本の国際競争力の低下や経済低迷、先行きの閉塞感などがあり、国際的な労働移住の受け入れ国としても地位の低下が危ぶまれていますが、日本はアジア諸国に対して、人材受け入れという点では、他国にはない先行者利益があります。

何万人以上のレベルでの国際的な移住の動きは短期的に急減に変わることは難しいのです。歴史、地理、経済、文化などの様々な要素の蓄積が関係しあって、大きな人の流れが作られていくからです。
日本はアジア諸国と、国際貢献や文化交流などでイメージアップがされており、人的な流れの礎を作ってきた結果、今のアドバンテージがあるのです。私はアジアに行くたびに、この過去から蓄積された様々なアドバンテージを感じます。
今から、このアドバンテージを最大限に活用しないともったいないと思います。

ところで、日本の賃金競争力の低下が、プロパガンダ的に報道されていますが、実は時間あたりの賃金は上がっています。一人当たりの賃金の競争力は低下していますが、短時間労働者の賃金が上がっていて、例えば共働きの世帯収入は上がっています。
特定技能の外国人は家族帯同が許可されないため、このような恩恵を受けられませんが、このような事こそ、私は問題だと感じています。

ちなみに、最近、インドネシアから中東への送出しで、大きな問題が起きました。中東の会社が渡航の途中でインドネシア人を他国へ置き去りにして放置したとのことです。中東は日本よりも賃金が高く、アジア諸国から最大の労働移住の受け入れ地域ですが、このような人権や労働問題も多発しており、その事で日本の安心性が再評価されています。

今のアジア諸国では、コロナ禍で入国待ちの人材が残存しており、採用がしやすい状態です。ただ、もう少し時間が経過すると、来日待ちの人材は減っていき、新たにリクルートや養成をしていく必要が出てきます。日本の最大のボトルネックである日本語習得を、海外でどれだけ進めていけるかも重要になります。
コロナ禍においても、インドネシアやミャンマーでは日本語学習者が増大しました。ちなみに、従来多かった、韓国、フィリピン、タイ、ベトナム、アメリカなどはコロナ禍で日本語学習者数が減少しました。

日本の労働者の絶対数の減少と共に、労働者の高齢化の問題もあります。例えば、人手不足が深刻な介護では、D X化の試みも始まっていますが、高齢化している介護士が、D X化業務に順応しにくく、なかなか進まないという声も聞きます。
一方で若い外国人介護士は、日常的にデバイスに慣れているので、純粋にICTやD Xに順応がしやすい面もあります。

日本の労働の量も質も高める手段の一つとして、若いアジアの人たちの力を借りる必要性が上がっていくことは間違いありません。その中で、ボトルネックになるのが、世界でも難解とされる日本語です。

私は個人的には、初歩的な日本語は社会や国など公的なところが担い、就労や留学などの実務に近いところは民間で担うのが良いと考えています。
例えば、アジアの国の教育制度や各助成の枠組みの中に日本政府からの補助や支援で、日本語教育を組み込み、裾野を広げた上で、日本で就労する希望者に対しては、我々のような民間が企業と連携して、実務教育を提供する仕組みです。

将来的には、A Iなどの活用が拡大して、言葉の壁は低くなるでしょう。しかし、現時点での課題である日本語という難関を切り開いて人の流れを作っておかないと、将来、言葉の壁が低くなったとしても、日本に来る人がいない、という状態になってしまいかねません。

先日、財務省の方と接する貴重な機会をいただきましたが、そこで、官僚の方々は短期間な人事異動が頻繁な為、腰を据えて長期的に事業ができないという官僚の苦悩を感じました。国を支える優秀な官僚の仕組みの改革も必要だと思います。

もちろん、弊社も私も民間の立場として、海外でのプロモーションや教育面で、最大限のことをしていこうと思いますが、官民合わせた相乗効果も上げていかないと、日本が危ういことは間違いありません。でも、それを官に期待や要望だけに留まらずに、民から動きを作って、官が動く、ということも個人的には重要だと感じています。

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