[散文タイム] ここ数ヶ月の出来事について感じたことなど

世の中大変なことになってしまいました。
ワクチンも治療薬もないウィルスの世界規模の広がりによって。

私たちが頼っていた「この」システムって、案外脆かったんだなぁって思います。
とても細い線の上を今までなんとか歩いてきていたのだなぁって思います。

テレビやネットでは「もう以前のようには戻れないのではないか」「パラダイムシフトの時ではないか」という意見をよく聞きます。
が、しかし、これ、9年前にも同じようなことが言われていました。東日本大震災とそれによる原発事故です。未曾有の大災害と最悪の原発事故により、被災によるサプライチェーンの寸断や電力不足による計画停電などで、操業や通勤できなくなったり、夏場に皆が電力量を気にするようになったり、生活が一変しました。この時も「パラダイムシフトが起きるのではないか」と言われていましたし、実際私もそう感じていました。しかしながら、復興が進むにつれて、また以前と同じ生活スタイルに戻ってしまいました。
なにか見えない力が元に戻したように感じました。

時が過ぎて、今回の危機でも同じことが言われていますが、本当に変化するのでしょうか。
テレビのニュースではとりわけ「経済」について大きく取り上げられているように感じます。
もちろん経済が回ることは大切ですから、元のように戻すことは必要なのですが、本当に「元の」ように戻すことが良いのかどうかをちゃんと考えないといけないように思います。

全てのものはそうですが、経済至上主義にも良い面と悪い面があります。経済活動が活発になれば確かに豊かになれますが、一方で問題も出てきます。格差の問題、移民の問題、環境の問題、エネルギーの問題、政治の問題など。
今、経済を元に戻そうとしている人たちが、何を考えていて、どこに戻そうとしているのか、ちゃんと見ておかないといけないと思います。また、私たちはどういう世界にしたいのかをちゃんと考えておかないといけないと思います。

先日政府の新型コロナウィルス感染症対策専門家会議から「新しい生活様式」の提案がありました。
国家として、こういうふうに変化しませんか、という提案があったということにとても驚きましたし、また関心もしました。今回の件で本当にパラダイムシフトが起きるかどうかはわかりません。なにせ「経済至上主義」の力は強大なので、しばらくするとまた元に戻ってしまうのではないかと思うからです。

しかしながら、今回のように多くの人たちの共通の意識として行動を変化させよう、という試みはとても興味深く感じています。
そして、今回の緊急事態宣言による外出自粛によって、市井の人々が最も重要なインフラ(社会基盤)だったことに改めて気づかされました。私たちは今までこの最も大切な人々に対してちゃんとしてきたのか、人々が健康で安心して楽しく豊かに暮らせる社会に向けて、本当に大切なことは何なのか、どうすればそれは実現できるのかを考えて行動していかなければならないなぁと思います。


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