[妄想タイム] 木次線を魔改造してみる

連続して鉄道ネタですいません。
昨年(2018年)三江線が廃止になって、次に廃線になるのは「木次線」じゃないか?という噂とかありまして、これはなんとかしないといけない、と思ってみたりしたわけです。#まあなんとかできないのですけれど。

では具体的にはどうするのか、ってことですが、これはもう「乗って残す!」これしかないのです!
が、その他になにがあれば「乗る」のだろうと、いろいろ妄想してみましょう。

木次線の歴史

 大正5年(1916年)に簸上鉄道として 宍道駅ー木次駅間(21.1km)が開業しました。その後、昭和7年(1932年)に木次駅ー出雲三成駅間が国鉄木次線として開業したのを受けて翌昭和8年(1933年)に簸上鉄道が国有化されました。宍道駅ー備後落合駅間(81.9km)の全線開通は昭和12年(1937年)のことです。
備後落合駅からは芸備線で広島まで繋がっているので昭和の時代には陰陽連絡線として大いに賑わいました。(過去形)

木次線と沿線のみどころ

 まずは何と言っても「スイッチバック」これですね。スイッチバックは狭いエリアで標高差のあるところを登る(降る)ために考えられた方法で、行ったり来たりしながら急勾配を克服していきます。一般に鉄道で頑張れる勾配は 25‰(1000m 進んで 25m の勾配)が限度だと言われています。
出雲坂根駅(標高565m)−三井野原駅間(標高721m)は標高差およそ 160m(直線距離 約1.3km 標高差160m なので 勾配は 123.1‰) で、普通には頑張れないので、三回折り返しのスイッチバックになりました。三回折り返すってのは国内でもめずらしいです。先頭車両(スイッチするので最後尾)からスイッチするところをみることができるのですが、「待避線に進入して、信号赤で停止して、ポイントが切り替わって、信号が青になって動き出す」っていうところはかっこいいですよ。おすすめです。

 それから、亀嵩駅。駅舎に蕎麦屋があって「亀嵩そば」を食べることができます。事前に予約をしておくと列車の到着に合わせて作ってくれるみたいです。そして何よりここら辺は松本清張の小説「砂の器」の舞台となった場所です。昭和36年(1961年)に刊行されて以降、何回も映画化やドラマ化がされている名作の聖地の一つです。

 駅ということでは、亀嵩駅から備後落合方面に向かって一つ目の駅、出雲横田駅も風情があっていいですよ。個人的には宍道駅から一つ目の南宍道駅も素朴な感じがとても気に入っています。

 次は沿線ですが、桜の名所百選にも選ばれている「斐伊川堤防桜並木」。これは木次駅からすぐそこです。毎年桜の季節には多くの人で賑わいます。斐伊川沿い2kmにわたる桜並木のトンネルは幸せな気分になります。

 木次線は主に雲南市と奥出雲町を走ります。ここは出雲神話の舞台でもあり、多くの伝承やそれにまつわる史跡や自然があります。ヤマタノオロチが住んでいたと言われる「天が淵」や1300年前に書かれた出雲国風土記に記述がある「湯村温泉」などなど。
 それからそれから、自然が豊かな木次線沿線。奥出雲葡萄園(ワイナリー)があったり、パスチャライズ牛乳で有名な木次乳業があったりします。#牛さんも居るよ。


魔改造してみよう!

というわけで「こんな木次線に乗りたい!」という妄想です。

1.木次線も桜のトンネルを通りたい!
 桜並木を歩くのはとても気持ちが良いものです。これを列車でやってみたらどうだろう、という発想です。
木次線に乗らなければ見ることのできない桜のトンネル!インスタ映え間違いなし!是非したいですね。

2.木次駅から支線を引こう!
 見所でも書きましたが、ここは神話の舞台です。しかしながら木次線はその神話の舞台とは少し離れて走っています。なのでここは神話の舞台(の近く)へ繋がる支線を作って神話鉄道にしましょう。

3.松江駅からの直行ダイヤの復活!
 魔改造ではないですね。いたく普通な感じです。が、これ、実は平成の始め頃まではありました。先日実家の片付けをしていたら平成9年の松江駅の時刻表が出てきまして、おーって眺めていたら、ありました。
  松江駅 ー 出雲横田駅 しかも1日5往復!なんと!!
これなんでなくなっちゃったんでしょうね。出雲横田駅までとは言いません、せめて木次駅まででも直通列車があるといいと思います。そして更に言えば、松江駅ー木次駅の松江駅発の最終を22時台に一本欲しいです。そうすると、木次の人も松江で飲んで帰ることができます。桜の季節なら松江の人も木次で花見で一杯したあとに帰れます。これ欲しいですね。

さいごに

 妄想しますが、結局は乗って残すしかありません。機会を見つけてみなさん乗りましょう!
しかしそれにしてもあれですよ、田舎は駅周辺の開発がいまいち上手じゃない気がするんですよね。これから自動車は走った距離に対して課税する「自動車走行税」とかが検討されているので、自動車がなくてはならない田舎にとって鉄道はますます重要になってくるはず(バスやタクシーは自動車なので課税対象だからきっと高価になるか赤字で廃止になる可能性が考えられます)なのに、その「駅」周辺に住宅や商店など人が集うものがない、集っていないという現状。これはやっぱりあまりよろしくない傾向だと思います。
鉄道の「駅」を中心にもう一度まちづくりや都市計画を見直した方がいいかと思います。

参考資料
 東洋経済ONLINE JR三江線に続く「廃線危機」の路線はどこだ? https://toyokeizai.net/articles/-/216588
 ウィキペディア「木次線」 https://ja.wikipedia.org/wiki/木次線
 東京紅團 松本清張の「砂の器」を歩く(亀嵩編) http://www.tokyo-kurenaidan.com/seicho13.htm
 公益財団法人 日本さくらの会 全国さくら名所情報 https://www.sakuranokai.or.jp/information/local2/
 サライ 出雲横田駅(JR木次線)神社と見まがう和風駅舎の傑作【訪ねて行きたい鉄道駅舎 第7回】 https://serai.jp/tour/98764
 木次乳業有限会社 ホームページ http://www.kisuki-milk.co.jp
 国土地理院 電子国土基本図(地図情報) http://maps.gsi.go.jp/#5/36.104611/140.084556/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1 


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