1/3も伝わらない【パンチライン百線 1】

刺さったまま抜けないパンチライン達。

もう届かないsmile and shine days。後悔を自覚するまでの時限爆弾。


そんなに
好きじゃなかった
未練なんて一つもない

それは
間違いないのに

あれからずっと

彼も
わたしと同じものを
抱えて生きているとばかり

勝手に
思い込んでいた

高野ひと深『私の少年』

思い出しては過去のことだと言い聞かせて、執着していたのは自分の方。
共感してしまった読者を刺しに来る。


例えば今、起きたら
君がいたりするわけでもないので
起きれずにいる

脇川飛鳥 (『テノヒラタンカ』より)

これは「起きたら会社が無くなってたりしないかな」くらいの祈り。
逆に、明晰夢ではそばに君がいるのかも。


遠い日の花火 一瞬照らされる 照れてる横顔
鮮やかに思い出せるのに 儚く散ってしまった

さよならポニーテール『遠い日の花火』

思い出の中の花火が、照らした横顔が、気づかせる恋が、散ってゆく様子の描写。いつかの夏祭りはもう後の祭り。
時間の経過を描いた3回のサビはどれも秀逸 (上記は3度目のサビ)。なお324P remixがよりオススメ。


あなたの笑顔が焼きついて あなたの口癖沁みついて
忘れるなんて やり方が分からない
ここが電車なんてお構いも無く 涙は溢れこぼれ出す
ドアに映る私は一人ぼっちで

NakamuraEmi『Lock&Stop&不能』

"ドアに映る私"に自分の想いを自覚する。
この表現から、外はもう夜だということまで伝わる。Best未収録の名曲。


お互い恋人が欲しくて集まって
需要と供給は合ってるはずなのに
それだけで人を好きにはなれない

マキヒロチ『いつかティファニーで朝食を』

上手くいかない理由は分かっても、どうすれば上手くいくかは分からない。
良かったころの思い出はリバースエンジニアリングできない。勿体ないから分解さずそのままで。



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