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コロナ書記 1月1日

1月1日。ホテルにて新年を迎える。今後の人生を前借りして予測しても、非常に稀な新年の迎え方だと思う。宿泊の意味でのホテルではなく、療養の意味でのホテルだから。

この日の体調は、熱が36.1、酸素値99%。体に多少痛みはあるものの、日常にはさして問題はない程度。ほぼほぼいつもの体の感じに戻っている。

8時に起床し、歯を磨き、体温を測り。厚生労働省のサイトに行き、本日の体調を入力する。それが終わったら、朝食の配膳を受ける。時間内ならいつ取りに行ってもいいというスタイル。

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今日から完全に療養生活がスタートするわけだが、果たしてどんな流れで1日は終わっていくのか。それはそれで楽しみにしている。(決してハッピーという意味ではなく)

朝食はいい感じで重たかった。赤飯というところと、かまぼこに【寿】の文字が入っていたことに、2021年の始まり、お正月を感じることができた。

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数字はルームナンバー。朝だったので、少し食べるだけにして、昨日の晩に配膳された緑のたぬきをメインにいただいた。カップそばなんて久しぶりだった。このスープパスタは、間食でいただくことにする。

食事が終わり、朝のメディカルチェックを待つ。これは、ホテルの備え付けの電話にかかってくる。

この時間はいやにそわそわする。何かやっているときに、宅配便が来たらどうしようという気持ちに似ている。朝のシャワーに行きたいのだが、すれ違いが起きる可能性は十分にある。あまり迷惑をかけたくないので、電話がかかってくるまで、優先すべきはお医者さんからの電話、自分じゃない。

しかし流石にお昼になったので、シャワーを浴びる。
上がってゆっくりし始めようとしたときに、やけに大きなベル(いつものこと)が鳴る。ボリュームを下げたいところだが、気づかないときっと余計な心配をかけてしまうと思ったので、そのままの音量で、毎回びっくりしながら電話に出ることにしている。今朝の体温と酸素値を伝える。

昼の配膳が行われる。お味噌汁が輝いて見える。お茶が用意されているが、必要な分だけお取りくださいとのことなのがありがたい。
当然外出はできないため、買い物もできない。水分は大事に取らなければならない。
言えばきっとなんとかしてくれるとは思うのだが、まだそこまで困っているわけでもないので、大丈夫。

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食事をとって、体温を測ってみる。36.1。熱も下がって、安定はしてきた。油断はしたくないが、ひとまず現段階での安心はしている。部屋が乾燥してきたので、タオルを濡らして吊るしておく。程なくしてまた乾くので、注意しておかなくてはいけない。

日も傾いてきた頃、一本電話が入る。マネージャーからだ。どうやら情報公開のタイミングが決まってきたらしい。不甲斐ない気持ちでいっぱいの中、決まった事柄に耳を傾ける。こんな経験は初めてすぎて、気持ちの寄せどころがわからない。申し訳ないという気持ちしか湧いてこない。しかし今はそれしかない。

そんな気持ちを抱えながら、夜の配膳。正直あまり気は進まないが、治療するためにホテルにいるので、食べて体力をつけないと本末転倒になる。

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とは言え動いてないこともあって、そんなにお腹は空いてはいない。食べられる分はしっかり食べて、日持ちするカップ麺類は置いておく。

体調は、熱が36.4。体の怠さもなく、現場安心といったところ。しかしぶり返しや、まだウイルスが潜伏しているかもしれないことも考えると、引き続き手洗いうがいと、アルコール消毒と換気、加湿は徹底していく。

なんとなくこの日くらいから、お弁当担当はどんな人なのかを推理するゲームをしてみることにした。お弁当の並べ方や、お茶の置き方、インスタント食品の品目などを見て推理してみる。勝手にやっているので、当たっているかも外れているかもわからないが、なんとなく楽しめそうだ。

23時ごろ、どうやら発症4日目くらいからまた熱が出るかもしれないという情報が入る。人によるらしいが、ブログを見て連絡してきてくれた元陽性者からの話なので、信憑性のある情報としてしっかり受け取っておく。

現在の体温、36.4。変わりなく、体の状態もかなり自分のアベレージに戻っている。
個人的には元気という部類に入るのだが、果たして本当にこれから熱が上がるのだろうか。期待なのか、不安なのか、それすらわからない。
これは嵐の前の静けさなのだろうか。

静かすぎるので、自分で波風を起こすことにした。
YUTOPIAの【Not for sale】のグレーのパーカーを買った。
退所するくらいに家に届くらしい。
お祝いものとして、まずは家の棚に祀りあげよう。

本日も、医療従事者の方々に感謝申し上げます。

最後に、自分が持ってきた本を紹介する。
ご参考までに。


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