2019/6/25 ホルムズ海峡一触即発、香港デモいちおう成功、中国優位な米中貿
毎週開催している国際情勢を語り合う会の内容を備忘録もかねて記しておきます。実際に話していた内容にその後発生したことやちょっと調べたことなども入ってます。
①ホルムズ海峡緊張感高まる
世界の原油の3割、日本の原油の8割が通過するイラン沖ホルムズ海峡での緊張が高まってきました。
ホルムズ海峡でタンカーが砲撃されたことは何回かありましたが、今回はアメリカの無人偵察機がイラン軍により撃ち落されました。無人偵察機飛んでいた場所がイラン領域なのか公海上なのかで見解が割れていますが、アメリカは公海上であったと主張し、報復の空爆準備までしました。
ところが空爆開始の10分前に中止を指示。空爆によりイラン側の予想死者数が150人になるとの話を聞き、無人偵察機の爆破の報復としては釣り合わないと判断したようです。
そこまでは予想されたところですが、その後ツイッターで、アメリカはホルムズ海峡の安全は守らないから日本も自分で守るように、と発言。
China gets 91% of its Oil from the Straight, Japan 62%, & many other countries likewise. So why are we protecting the shipping lanes for other countries (many years) for zero compensation. All of these countries should be protecting their own ships on what has always been....
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) June 24, 2019
中国だけならわかりますが、日本も名指しされるとは!
ということで、どうもトランプ大統領は印象と違い、実際の攻撃はそう簡単にはしないような気がします。
それより驚いたのがトランプ大統領が日米安保条約の破棄を側近に漏らしていたという報道です。
現在のアメリカは中国との覇権争いをしており、そのために日本の米軍基地は地理的にも必要なので、日本から米軍撤退はちょっと考えにくいです。
とはいえ、もし撤退することになったらそれなりの軍力を備えておかないとフィリピンのような状況になるかもしれません。
先日もフィリピンの排他的経済水域内で中国船がフィリピンの漁船に衝突し、漁船は沈没、中国船はそのまま逃走という当て逃げ事件が起こりましたが、フィリピンのドゥテルテ大統領は単なる海上事故、との認識で中国に対して弱腰外交を展開しています。(その前はカナダに対して随分と強気な発言をしていましたが。)
②香港デモ
2回にわたる大規模なデモにより、犯罪容疑者を香港から中国本土への引き渡しを可能とする条例改正案は完全ではないですが、撤回されました。
デモで直接政治が動くこともあるんですね。
とはいえ去年には地理的には香港の領土に中国本土の法律が適用される特別区域ができたり、徐々に中国本土との一体化は進んでおり、いずれまた同じ法案を通そうとするのではないでしょうか。
③米中貿易摩擦
アメリカが中国からの輸入品のほぼすべてに25%の関税をかけることに対して、アメリカ最大の納税者のアップルから泣きが入りました。
自国内の最大納税者から反対意見が出るとこのまま押し通すのもきついのではないでしょうか。
一方で中国側のファーウェイはこの制裁により3兆円ほど売り上げが減少する見込みながらも、減少しても昨年並みの10兆円程度の売り上げは見込んでおり、そこまでは制裁が効いていない感じ。
またアメリカはハイテク機器などの生産に必須なレアアースのほとんどを中国に頼っており、中国にはレアアース禁輸の切り札も残っています。
トランプ大統領、習国家主席ともに今週大阪で行われるG20に来ます。米中首脳会談はトランプ大統領側が望んで開催されることになりましたが、現時点での交渉は中国のほうが優位な印象です。
G20には首相を辞任したメイ首相もくるみたいです。
もう首相辞任は決まっているので気楽な感じでしょうか。当のイギリスは現在絶賛党首選であり、ジョンソン前外相VSハント現外相となりました。
外野の勝手なイメージではハント外相のほうが信頼できそうですかね。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?