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【第3章】学習ツールとして活用しよう!

なぜ学習ツール?

私は、ChatGPTの初心者にはまず学習ツールとしての使用から始めることを勧めています。
ChatGPTを学習ツールとして使用する主な理由は次の2点です。

知識収集の新しいツールとして優秀である

ChatGPTは多くの知識を持っています。
したがって、AIを先生として利用することで効率的な学習が期待できます。

具体的にはプログラミング学習や特定の業界に関する知識の習得、収益化プロセスの理解など、個々の目標や関心に応じて利用することが可能です。

ChatGPTは広い範囲の知識を持っています。
検索では見つけにくい詳細な情報も知っているため、ChatGPTを学習のパートナーとして活用することは非常におすすめです。

文脈を使った会話の感覚を身につけることができる

ChatGPTと連続的に会話することで、文脈を活用する感覚を身につけることができます。

前章で言ったとおり、ChatGPTを活用するには文脈を使った会話をする必要があります。
先生であるAIに連続的に説明してもらったり、認識を確認したりすることで1人の人格と会話をするという意味が分かってきます。

「先ほど言った」や「今までの内容を」など、文脈の活用ならではの会話を楽しみましょう。

学習ツールプロンプト

それでは具体的に学習ツールのプロンプトを紹介します。
以下のプロンプトをChatGPTに入力してみてください。

{トピック}について学びたいです。
{トピック}についての全体像を理解するための重要な項目を教えてください。
{トピック}: LLM

プロンプト内の「LLM」という箇所を自由に変更してみてください。
例えば興味のあるテーマや技術、歴史、副業など幅広い分野について学ぶことをお勧めします。

深く学んでいくために
・プロンプト内で使われている技術
・ChatGPTを使って学習を進める手順
について説明していきます。

技術ポイント: 変数を活用する

プロンプト内の`{ }` で囲んだ部分は「変数」と呼ばれるものです。

変数は数学が得意な方や、プログラミングの知識がある方には親しみがあるかもしれません。
変数は「」で説明されることが多いです。

この箱をどのように設定し、ChatGPTが読み込むのかを順を追って説明します。

1, `{}`が箱を意味します(ChatGPTに対して「箱を用意したよ」と宣言)。2, この箱にトピックという名前をつけます。
3, 箱の中に入れる情報を指定します(今回の例で言うとLLM)。

つまりChatGPTは「トピック」と名付けられた箱の中身を参照して「LLM」という文字列を読み込んでいます。

先ほどのプロンプトをChatGPTは次のように認識します。

LLMについて学びたいです。
LLMについての全体像を理解するための重要な項目を教えてください。

今回の例では変数は1つでしたが、より複雑なプロンプトを書く際には複数の変数を扱うこともあります。

さらに、変数はより大きな塊の「ブロック」として認識させることも可能です。

たとえば、`[条件]` のようにブロックを指定すれば、以下のようにプロンプトを書くこともできます。

レシピを提案してください。
ただし、[条件]を満たしてください。

[条件]
・材料: 米、豚肉、卵、牛乳、しそ、キャベツ、きゅうり、玉ねぎ、人参、基本的な調味料
・さっぱりした夏バテに効く、スタミナのつく和食

学習ポイント1: 深掘りする説明をさせる

ここからは、具体的にChatGPTを使った学習方法を紹介します。

まずは、自分が理解できるまで深掘りして説明させることが大切です。
前項で紹介したプロンプトをChatGPTに投げると、指定したトピックに関して重要なポイントを複数紹介してくれます。
これはトピックに関する全体像です。

全体像をまず把握してから詳細部分を深掘りすることは学習を進めるにあたって効果的です。

次にChatGPTが出力した全体像に対してわからない単語や、もっと深く知りたいことについて説明してもらいましょう。

◯◯について詳しく説明してください
◯◯と△△の違いを比較してください

といった指示を繰り返して、自分が理解できるまで深掘りを続けます。

相手はAIなので恥ずかしがったり気を使ったりする必要はありません。
どんな内容でも、とことん説明してもらいましょう。

学習ポイント2: たとえ話で説明させる

ChatGPTにたとえ話で説明してもらうことも学習を効果的に進めるために効果的です。

ChatGPTが出力した説明の中に、分からない単語や理解しにくい概念が出現する場合があります。
そんな時は、あなたの得意分野に例えて説明してもらいましょう。

◯◯を△△にたとえて説明してください

△△に入るのはあなたが理解できる内容であれば何でも構いません。
私はよく料理で例えてもらいます。
他にも、関係性を説明してもらう場合は学校で例えてもらうこともあります。

なぜたとえ話が学習に有効かと言うと、説明が得意な人はたとえ話が上手な傾向にあるからです。
たとえ話というのは対象の事柄を相手の理解度に合わせて説明することなので、多くの知識が必要になります。

ChatGPTはとても頭がいいので、たとえ話のプロフェッショナルとも言えます。
同じ単語を複数の事柄で例えさせることで、自分の理解を深められるでしょう。

学習ポイント3: 自分の理解度を確認する

インプットだけで終わらせずに、アウトプットも行って自分の理解度を確認することは大切です。

自分が理解した内容があっているかどうかを確認するためには、次のプロンプトを使います。

話をまとめさせてください。
1, 〜〜
2, 〜〜
上記の内容に少しでも誤りがあったらそれを指摘して、正しい情報を教えてください。

このとき、最後の1行に注目してください。

誤りの指摘
正しい情報に修正する

という指示をしていることが分かるでしょう。

このプロンプトによりChatGPTは列挙した内容が正しいかどうかを判断し、間違っている内容に関しては正しい情報を教えてくれます。

学習ポイント4: 学習した内容をまとめる

最後に学習した内容をまとめてもらいましょう。

本日学習した内容をPREP法を用いて記事にまとめてください。
ただし、PREP法は論理的な文章を作成するフレームワークであり、
P: Point 結論
R: Reason 理由
E: Example 例
P: Point 結論
からなる文章のことを言います。

このプロンプトのポイントは「本日学習した内容を」という箇所にあります。

私が初心者に向けて最初のChatGPT活用例として学習ツールを紹介する理由の一つは、文脈を使う感覚を身につけるためです。

このプロンプトでChatGPTは、それまでの会話をもとに文章を作成します。つまり、これまでの会話の内容以外を使用しないことを意味します。

例えばNew Chatを開いて「LLMについてPREP法を用いて記事を書いてください」と指示をしてもある程度の文章は生成できるでしょう。

しかし、その内容は一般的なものであり面白いとは言えません。今回の手順で文章としてまとめさせることで、あなたが学んだ内容、つまりあなたが疑問に思って学習した内容にフォーカスした文章が生成されます。


本記事はマガジン『ITエンジニアが教える!ChatGPTの教科書』にて連載しています。
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