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[ DoHaD ] 胎児期(あるいは幼少期)の栄養状態が,成人になってからの健康に影響を及ぼす。

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肥満は,運動しないで食べ過ぎるから起きる,生活習慣の乱れから起きるとだれしも思っています。

たしかにそれは正しいですが,それだけが原因ではないようです。お母さんのお腹のなかにいるときの環境が好ましくない場合,成長後,肥満になりやすいという研究があります。

第二次世界大戦中,オランダで飢饉が起きました。当時,お腹のなかにいた子どもたちは,子宮内で低栄養の状態におかれました。Ravelli たちの研究 (1976) によると,子宮内で低栄養の状態におかれた子どもたちは将来肥満になる率が極めて高いことがわかっています。

胎児期の悪い環境は代謝性の疾患を導くだけではなく,精神的な疾患を導く可能性も報告されています。Susser らは,上に述べた第二次世界大戦中のオランダにて,低栄養に曝露された子どもたちが成長後統合失調症を発症する率が2倍程度になるこを報告しています。

このように胎児期(あるいは幼少期)の栄養状態が,成人になってからの健康に影響を及ぼすという仮説を,特にDOHaD(Developmental Origins of Health and Disease)仮説といます。

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