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落合陽一「 Reflector∞:Resonance of Electrical Echoes 」を観に行ってみた件

秋葉原UDXでは11月15日(水)から12月25日(月)まで「winter illumination 2023」が開催されています。この会場には、落合陽一さんのインフィニティミラーの新作が展示されていおり、観に行ってきました。


Reflector∞:Resonance of Electrical Echoes

上下にLEDディスプレイを配置し、四方の側面をガラスで囲まれた作品

本作品「Reflector∞:Resonance of Electrical Echoes」は、東京·秋葉原という現代的な日本文化の特異性と古代からの伝統的な慣習との対話を試みる作品です。落合陽一は秋葉原に25年ほど通い続け、また近隣住民として暮らし始めて6年が経ちました。それ故に秋葉原の変遷を眺めながら、電子部品が新しい民藝を形作る様を夢想してきました。秋葉原という特異な空間は、デジタルと物理的な存在、有形と無形、サブカルチャーと主流文化が交錯する場です。落合陽一の質量のない自然と質量ある自然の調停という考え方もこの街をバックグラウンドに持つことによって生まれています。「Reflector∞」は、電子部品を媒体として、メディアアートが新たな民藝の形を持つことを示します。古代からの日本の鏡に対する感覚、その神秘性·象徴性は、物質とデジタルが交わる領域に境界として深い関連性をもち、作品中に取り入れられています。鏡は、観察者の視覚体験を拡張するためにインフィニティミラーを巧みに配置しています。その無限の反射が示すものは、空間的な拡大だけでなく、広がる可能性を示唆しています。また、本作品は、人間と人工知能が交流し、創出した計算機自然を通じて、我々が都市体験を再評価するよう促します。本作品が描き出すエコーとレゾナンスは、地域固有の生態系が日本文化の根底にある「鏡」の意味と共鳴し、秋葉原という都市の見た夢のような風景を描き出すことでしょう。

落合 陽一

落合さんは小学生の頃から秋葉原のカード屋に通い、秋葉原からつくばエクスプレスで職場に向かい、秋葉原にも住んでいます。
そんなゆかりの地で、秋葉原の特性を活かして、電子部品を使用した新しい形の民藝(伝統工芸)を創造し表現しています。

作品は街の一部として溶け込んでいる

アニメ、半導体基板、CPU、電子部品といった秋葉原らしい要素をディープラーニングで分析し、生成された画像を使用しています。また、サウンドインタラクティブな設計が採用されており、低音に反応することで映像として日々異なる変化を見せています。

作品の一つの特徴は、周囲に設置されたハーフミラーにあります。これにより無限反射が生じ、空間が広がっているかのような錯覚を生み出します。また、作品の隣に設置された水盤が水面の反射を利用して美しい効果を加えています。

この反射構造を用いた作品は、秋葉原の多様な文化や風景を映し出し、観る者に驚きや感動を与えるだけでなく、新たな発見や創造的なインスピレーションを呼び起こす体験を提供していました。

鮮やかに水盤にも反映されていました

光を纏う街路樹

メインオブジェへと続く街路樹

秋葉原の街で多くの取り扱いがあるLED商材。
今回はLEDイルミネーションではなく、土地由来の間接照明で用いられるLEDテープライトを使用して制作。小正月の餅花など土着性と装飾の関係性をメディア装置で考えました。
LEDテープライトによる躍動感ある自在な光のラインは秋葉原の街を象徴し、メインオブジェまで誘います。

落合 陽一

メインオブジェへと続く街路樹には、LEDテープを用いたイルミネーションが施されていました。過去に落合さんが制作した生け花や木の作品では、この白いLEDテープが多く用いられており、今回のイルミネーションも同様に美しく配置されていました。

今年の暖かい冬に、緑の葉と白いLEDが調和し、クリスマスや年末の特別な雰囲気をより一層魅力的に演出していました。

まとめ

インフィニティミラーの作品は、新作が登場するたびに大きくなっています。

落合陽一さんは、2025年の大阪・関西万博のテーマ事業プロデューサーを務めており、「いのちを磨く」をテーマにパビリオンの制作に取り組んでいます。このパビリオンは内部がインフィニティミラーで構成され、非常に広い空間が広がっているように見えると発言しています。

2025年4月13日に開幕する大阪・関西万博までに、どのようなインフィニティミラーの作品が登場するのか、今から楽しみです!

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