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『「わたしのソーシャリズム」へ』の序章のメモ:読書日記20240319

‪8年前のFacebookのメモ‬
‪大貫 隆史『「わたしのソーシャリズム」へ −−二〇世紀イギリス文化とレイモンド・ウィリアムズ 』(関西学院大学研究叢書 第 174編)研究社2016年、の序章の思いつきのメモ‬

‪この本の著者は、レイモンド・ウィリアムズのいう「わたし」と「ソーシャリズム」は本来相入れないものであるにも関わらず彼の中に共存しているという。つまり、個人主義と社会主義とはベクトルが逆であるということだ。レイモンド・ウィリアムズは社会主義ヒューマニストであるというのは教科書的な説明であり、私たちはそれを自明なものとして使用しているが、社会主義は全体性を志向するわけだが、そこで個人の人間性というものをどのようにウィリアムズは位置づけていたのかという問いについて考えさせられた。‬

ここから、社会や経済をシステムとして捉えるか(例えばアルチュセール)、疎外論から人間存在の問題として捉えるか、という問題圏を改めて考える機会にもなった。そして、個人の能力を最大限に強調するリバタリアニズムと、ウィリアムズともイギリス時代に関係していたと思われるチャールズ・テイラーのコミュニタリアニズムも交差してくるのかなと思われる。

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