鶴見俊輔の大衆論(4年前のメモ)

メモ。
鶴見俊輔の大衆論について高畠通敏からの引用。
「大衆も思想主体であり、知識人も大衆的な欲望や実感の世界を内側にかかえている。両者はいわば役割の差であり、社会的制度によってとる機能のちがいの問題なのである。」
高畠は小田実とベ平連結成時から鶴見と思想と行動を共にしていたことは知られるが、これは鶴見の大衆論を擁護した文章の一節。1965年にイェール大学に留学してダールの謦咳に接していた。ダールの『ポリアーキー』は高畠ほか訳で岩波文庫にもなっている。
この文章は、当時の社会科学における構造機能主義の影響が伺えるものだと思う。役割を機能として捉えている。役割理論をこのように知識人と大衆の関係に応用しているのはこれまで読んだことなかった。というか社会学を勉強するようになったのは、構造機能主義以降のブルデュー、ギデンズと社会システム論のルーマンが台頭してからだけど。

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