メモ:唐木順三「ドストエフスキーの生涯とその思想」

「今までのロシアに對する普通の見方は、ロシアにはルネサンスもなく、また宗教的改革もなかつた、自我の愛といふものがなく、従つてまた合理的な精神といふものをもたなかつた、西歐から見ればいはば後進國である、といふやうな類のものだつたと思ふのです。」『唐木順三全集』第8巻

日本ももちろん西欧とは異なる経験を経ている訳だけど、地政学的には日本の近代化は避けられなかったとは思いますが(丸山眞男「開国」も読んでいきたい)、日本の独自の生活様式と文化が重要だというのはわかる。その研究の鍵となるのが鶴見俊輔で、それを考えています。
丸山の議論、歴史学や社会経済学における明治維新から近代国家建設の議論は、西欧思想を参照した日本という構えだけど、鶴見さんは近代化を日本の歴史の中に位置づける努力をしていて、そこから西欧思想には収まらない思考方法を論じていたのではないかという仮説。

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