博士と妻 第八回 ah,freak out
この間妻と伊丹まで買い物に行った時の話。
前の車(ランドクルーザー)が〜freakというステッカーが貼ってあったのに妻が反応して、ah,freak outと歌い出した。
私は咄嗟にシックの曲というのがわかったのだが、笑いを堪えるのが大変だった。というのも歌の語感からfreak outではなくahに明らかにアクセントが置かれていたからだった。
私は、芸人のあ〜白木を思い出したのもある。もしかしてあ〜白木もあ〜をシックの曲から取っているのかもしれない。
またこれには伏線があって、妻は何かの折にウルトラセブンのホルンの音とかを口真似して歌っていたのである。
たしかに私も、曲のアレンジとしてのウルトラセブンのホルンの音は気になっていた。それが強調されると余計に楽しくなるのだった。
あるいは、ライザップの使用前使用後の音響も口真似をしていたのも笑ってしまった。耳についていた音を口に出してみたいという感覚が、目の前で表現されているからだ。
オノマトペというやつだろう。宮沢賢治や大江健三郎の『洪水は我が魂に及び』で印象的なフレーズを繰り返すキャラクターもそうだし、武田泰淳も埴谷雄高の「あっはとぷふい」について書いていた。
私も替え歌を博士論文を書く上で調べていたので、ことばの魅力は興味がある。歌は楽しい。
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