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『図書』2024年2月号を読む。「政治学を読み、日本を知る-9 ロバート・パットナム『哲学する民主主義』」前田健太郎

『図書』2024年2月号を読む。「政治学を読み、日本を知る-9 ロバート・パットナム『哲学する民主主義』」前田健太郎。

ここでソーシャル・キャピタルや市民社会について解説されているのだが、社会学理論において最も関心を持って自分の学位論文でも応用を試みたのがソーシャル・キャピタル論だった。この解説では、日本の事例として高畠通敏に言及されているが、高畠はベ平連創設メンバーとして論文などでも引用してきた。高畠の議論がソーシャル・キャピタル論に通じる問題意識があったという指摘は興味深く考えていきたい。
パットナムは教会を市民団体から除外しているということだが、日本の戦後文化運動においては、教会やYMCAが大きな役割を果たしていたことは次の著書でも指摘しておきたい。つまりハーバーマスのいう公共圏としての教会の役割は、パットナムでは「市民的」対「宗教的」と対比されているようだ。

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