見出し画像

収穫時期

今回は醸造家の方達がどのように収穫のタイミングを決めているか、その難しさについて書いていこうと思います。ここでポイントとなってくるのが成熟度、酸度、糖度の3つのバランスです。

葡萄の収穫シーズンが近づくと、写真のように葡萄のサンプルを取ってきます。(成熟度は本来は機械で測ることも出来るのですが、とても高価な代物なのでここではオーナーが葡萄の見た目や食べた感じで判断しています。) 成熟度は皮、果実、種に分かれ、その内の皮と果実は主に日照時間や気温などに左右されます。そのため、場所によってはこの時期でも皮と果実の成熟度がまだ4割程度なんてこともあります。一方の種は、physiological matureという葡萄自体の固有なDNAに依るところが大きいため、それぞれの成熟度合いのスピードは全く異なります。
例えば、仮に皮と果実の成熟は進んでいるが、種がまだ成熟しきれていない場合、とても青々しいワインになってしまいます。(作り手の好みに依るところもあるため、一概に何が正解とは言えませんが。)

種が成熟するまで待っていればいいのでは…と思うかもしれませんが、そうするとワインに大事な酸度が完全に失われてしまう可能性があります。酸度は葡萄が実った時の黄緑色の時点が最も高く、時間経過と共に減少していきます。

酸度はこのような機械で測ります。

また、糖度は最終的なアルコール度数に比例します。こちらも成熟度と同様に時間経過と共に増えていきますが、皮と果実の見た目がレーズンのようになってしまったり、糖度が高すぎると品種の特徴などを損ねたただアルコールの強いワインとなってしまいます。

サンプル時には糖度計というものを使いますが、破砕後はこのような浮ひょうで糖度を測ります。

成熟度、酸度、糖度が全て理想に揃う…なんてことはなく、醸造家の方たちは毎年このバランスを見て試行錯誤しながら収穫時期を決めていきます。そこが難しさでもあり、ワイン造りの面白さだとオーナーの方が嬉しそうに教えてくれました。奥が深いです。。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?